【4月29日 AFP】欧州議会(European Parliament)は28日、救急隊員が事故現場に速やかに到着できるよう、2018年までに自動緊急通報システムの装備を欧州連合(EU)全域の一部車両に義務付ける法案を可決した。

 昨年、域内で起きた交通事故により2万5700人が命を落としている。欧州議会では、この装備によって死者の数を10%削減できるとしている。

 EUの行政執行機関である欧州委員会(European Commission)も、この自動通報システム「eCall」の導入で、市街地では40%、地方では50%、緊急対応を迅速化できると考えており、年間で2500人の命が救えるとしている。

「eCall」システムでは、重大な衝突事故の際に運転手が意識を失ったり、電話をできない状態に陥ったりした場合でも、緊急番号「112」を自動でダイヤルして、自動車の位置情報などを伝える。

 このアイデアは2012年に既に持ち上がっていたが、プライバシーの問題があるとして棚上げされていた。

 新規則では、すべての乗用車と一般の商用車などに「eCall」が装備されることになるほか、全域内での対応を目指して設備を整える予定となっている。(c)AFP