【2月19日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は19日、世界で毎年50万人が死亡しているデング熱やハンセン病、睡眠病など、「顧みられない熱帯病(Neglected tropical diseasesNTDs)」と呼ばれる17の疾患への対策のために、数十億ドル規模の資金拠出を呼び掛けた。

 人々の関心が薄いことから「顧みられない熱帯病」と呼ばれているこれらの病気だが、WHOによると、世界149か国で約15億人が影響を受けている。同機関は、人々の命を救い、病気による身体障害を防ぎ、貧困生活を終わらせ生産性を向上させるためだとして、追加の資金拠出を世界に求めた。

 WHOでNTDs対応部門を率いるディルク・エンゲルス(Dirk Engels)氏はスイス・ジュネーブ(Geneva)で記者らを前に、アフリカはNTDsの発症が「絶対的に多い大陸」であり、NTDsを併発している人も少なくないと語った。サハラ以南のアフリカでは、約4億5000万人がNTDs感染のリスクにさらされているという。

 NTDsの患者はアフリカの他にも中南米、中東、中央アジア、アジア地域でもみられ、さらに欧州、日本、米国でも発症例がある。

 主なNTDsは他に、狂犬病、トラコーマ、トレポネーマ感染症、リンパ系フィラリア症など。(c)AFP/Lachlan CARMICHAEL