カーン氏らの研究で以下のような知見が得られた。

・男性は「ブロンディー(金髪の)」、「キューティー(かわいらしい)」など身体的な魅力を表す言葉が入ったハンドルネームを好む。一方、女性は「カルチャード(教養ある)」など知性を表現する言葉を使ったものを好む。

・「バグ(能なし)」、「リトル(小さい/少ない)」など否定的な印象を与える単語をハンドルネームに使わず、「Fun2bwith(一緒にいて楽しいという意味のFun to be withをもじったもの)」など、遊び心を感じさせるハンドルネームにすること。

・メッセージの書き出しには、シンプルな言葉を使うこと(出会いの時には、複雑な言葉は相手を興ざめさせる)。ユーモアを効かせる一方で、うそはつかないこと。

・やりとりを始めた当初は、他のユーザーたちに「目配せ」しない。つまり、別の誰かの気を引こうとするような言葉を使わないこと。デートの相手として候補になりそうな人だけに短いダイレクトメッセージを送る。

・やりとりが続くうちにメッセージが長くなる傾向が出てくる。だが、相手が「長い学術論文」のような文章を好む人物であることがはっきりと分かるまでは、そうした文章は避けること。

・文字にした情報によって、後で痛い目に遭う可能性がある。プロフィールにうそは書かないこと。また、7割は実際の自分について、3割は自分が求めるものについて書くとよい。

 カーン教授とチョードリー氏は、今回の調査には限界があることを認めている。データ収集に用いた手法は対象とした全ての論文について標準化されていたわけではなく、いくつかの点で明確な理解を得るのが難しかった。

 さらに、出会い系サイトで知り合ったカップルが長期的な関係に発展した例を確認したわけでもない。

 しかし2人は今回の研究は多くのことを示唆していると言う。「出会い系サイトを使う人たちは、『好ましさ』は潜在意識の第一印象がもたらすものであることを理解しないまま、細かいことに気を取られすぎている」

(c)AFP/Richard INGHAM