【2月13日 AFP】(一部更新)米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー(James Comey)長官は12日、米警察当局内に人種偏見が存在し、対処する必要があるとの認識を示した。米警察の黒人への対応をめぐってFBI長官がここまで踏み込んだ発言をするのは異例。

 ワシントンD.C.(Washington, DC)のジョージタウン大学(Georgetown Universit)で講演したコミー長官は、白人中心文化の中で育った米国人には偏見を持っている人が多く「相手が白人か、黒人かによって異なった対応をする」と指摘。黒人や移民が多く住んでいて犯罪率の高い地区を巡回する警察官たちは、無意識のうちに偏見を抱きがちだと述べた。

「歩道に2人の黒人男性がいて、服装は周囲の人たちと何ら変わりなかったが、警官に身柄を拘束された。一方、反対側の歩道にいた2人の白人男性は、同じ服装をしていたにもかかわらず拘束されない」

「こうした意識の飛躍は回避しがたく、見方によれば人種偏見といえる。これが(黒人に対し)異なる対応をする要因となっている」

 その上でコミー長官は、警察が過去に起こした問題や、有色人種の若者たちが過度の取り締まりに直面している点を認めた上で、人種問題と警察の対応について率直に話し合うことだけが現状を変えられると訴えた。

 さらに「1人の若者に接するときは、安易に不信感に基づいた短絡的な見方をするのではなく、敬意と礼節をもって接しなければならない」と述べつつ、こうした態度は双方に必要なものだとして、市民の側も警察官が危険と隣り合わせの中で人々の安全確保に努めていることを理解しなければならないと強調した。(c)AFP