【11月27日 AFP】黒人青年を射殺した白人警察官の不起訴をめぐり抗議行動が続く米ミズーリ(Missouri)州ファーガソン(Ferguson)近郊の射撃練習場で、白人を中心に銃を購入する人が急増している。これまで1日の銃の販売数は平均3~5丁だったが、最近は1日当たり20~30丁が売れるという。

 ファーガソンから車で20分ほどの距離にあるセントピーターズ(St. Peters)のアルティメット・ディフェンス射撃練習場(Ultimate Defense Firing Range & Training Center)は、米中西部でも最新の設備を備えた射撃場の1つ。所有者の現役警察官、ポール・バスティーン(Paul Bastean)氏は「特に、拳銃が飛ぶように売れている」と述べた。

「人々が、今ファーガソンで起きていることに対して不安を抱えているためだろう」「あの地域の住民の何人かは、明らかに恐怖を感じてここを訪れている。銃撃音があちこちで聞こえた2日前(24日)の夜はひどかった」

 黒人青年のマイケル・ブラウン(Michael Brown)さん(当時18)が8月に白人警察官のダレン・ウィルソン(Darren Wilson)氏に射殺された事件では24日、ミズーリ州の大陪審がウィルソン氏を不起訴とする判断を下し、全米で人種問題をめぐる論争が再燃している。現場のファーガソンでは、黒人が大半を占める住民の抗議が暴動化し、警察車両が放火されたり、店舗が襲撃されたりする被害が出た。

 暴動発生から一夜明けた25日、アルティメット・ディフェンス射撃練習場では銃33丁が売れ、練習に訪れた人たちが発砲した弾数は1万8000発に上った。暴動は25日夜も続き、バスティーン氏によれば26日は開店から3時間ほどで21丁の銃が売れたという。(c)AFP/Jennie MATTHEW