■放射能は存在せず

 露国家北極圏研究科学センター(State Scientific Centre for the Study of the Arctic)の上級研究員、アンドレイ・プレハノフ(Andrei Plekhanov)氏によると、穴の内径は約40メートル、外径は約60メートル。「深さを正確に測るには、本格的な登山装備に身を固めた専門家が数人必要」という。

 同氏は「穴を取り巻く隆起した縁部分の側面は絶えず崩落しているので、近づくのは極めて危険だ」と話したと、地元当局の声明は伝えている。

 科学調査団が放射能レベルを測定した結果、危険な放射線は存在しないことが判明した。

 地元当局は声明の中で、今回の発見によって穴はシェールガスの爆発によって形成されたのかもしれないとの推測が持ち上がっているとした上で、「この見解も研究チームによる調査の対象となる予定」と述べている。ヤマロ・ネネツ地方は、ロシアが供給している天然ガスの80%以上を産出している。

 またインタファクス通信の報道によると、科学調査団はトナカイ飼育民らの知らせをもとに、直径約15メートルと、より小型な2個目の穴を発見したという。

 この穴を視察した地元議員の1人は、インタファクス通信の取材に「ボバネンコボ(Bovanenkovo)の近くの穴によく似ているが、数倍小さく、直径は約15メートルだ。穴の中に雪があるのが見える」と語っている。(c)AFP