【7月15日 AFP】人は遺伝的に似ている相手を友人に選ぶ傾向があり、友人の輪が5代前の祖先を共有する親戚たちで形成されていると言えるほどだとする研究が、14日の米科学誌「米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)」に発表された。

 研究は、膨大な遺伝子情報と交友関係などの情報を共に含む米マサチューセッツ(Massachusetts)州のフラミンガム心臓研究(Framingham Heart Study)のデータを基に行われた。

 研究チームは1932人を対象に、友人のペアと知らない人のペアの遺伝情報を比較した。

 結果、同じ交友関係の中にいる人は、遺伝子の1%ほどを共有していた。これは近くにいる見知らぬ人同士が共有している遺伝子よりはるかに高い割合で、5代前の先祖を共有する親戚と同程度だという。

「見知らぬ人と比較すると、(友人同士の)類似性の高さは、5代前の先祖を共有する親戚と同レベルだった」と論文は説明している。

 1%の共有では少ないと感じられるかもしれないが、論文の共同執筆者で米エール大学(Yale University)のニコラス・クリスタキス(Nicholas Christakis)教授(社会学・進化生物学・医学)は「遺伝学者にとって、これは有意な数値だ」と述べた。

 なお、友人同士の間で最も類似していた遺伝子は「におい」をつかさどる部分で、逆に最も異なっていたのはさまざまな疾患への免疫をつかさどる遺伝子だったという。(c)AFP