【5月13日 AFP】妊娠中期の女性による運転の危険性を示唆した新たな研究報告が12日、カナダ医師会(Canadian Medical AssociationCMA)から発表された。

 妊娠中のカナダ人女性50万人以上を対象にした統計分析の結果、妊娠中期(妊娠12 週~24 週ごろ)の女性は、妊娠する3年前と比べて、運転中に重大事故を起こす確率が非常に高いことが分かった。

 研究を主導したトロント大学(University of Toronto)のドナルド・レデルマイヤー(Donald Redelmeier)教授は「妊娠すれば、生理学的な面でも生活面でも多様な変化が起きる。それによって運転機会が増えるとともに、事故の増加につながっているとみられる」と話す。

 研究によれば、入院が必要となるほどの重大事故を起こす確率は、妊娠中期の女性の方が、妊娠していない女性よりも42%高かった。

 ところが妊娠後期に入るとリスクは著しく低下し、重大事故が起きたときに妊娠中の女性が運転していた割合は、妊娠していない女性の約半分だった。

 研究は「妊娠中期の運転では重大事故が起こりがちなことを示唆している」としたうえで、自動車事故は「胎児の死亡の最大原因であり、女性にとってトラウマ(心的外傷)になりかねない」と警告している。(c)AFP