予防接種の拒否、米国で増加
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■宗教的な理由による免除措置
米国のほとんど全ての州では、子どもたちが就学する前の段階で、一定種の予防接種を受ける必要がある。ただ、宗教的の理由での免除措置も設けているほか、いくつかの州では、親の個人的な理由で予防接種を免除させることもできる。
ニューヨーク(New York)市のユダヤ教正統派のコミュニティーでのはしかの流行など、近年起きたはしか流行の一部は、親が予防接種を拒否したことと関連づけられている。
米コロンビア大学メディカルセンター(Columbia University Medical Center)小児感染症科のアン・ガーション(Anne Gershon)科長は、「今では思想上の理由による免除も認められるようになった。もはや正気とは思えない。自分の子どもだけでなく、多くの人に害を与えることになりかねない」と厳しい口調で指摘した。
がんや免疫の病気に苦しむ一部の子どもたちや生まれたばかりの乳児にはワクチンを接種できない。乳児たちは、生後2か月が経過して接種可能になるまで、百日ぜきに対して非常に無防備な状態に置かれる。
ブルーム教授によれば、最も感染力が強い病気の一つであるはしかに関しては、人口の94%以上がワクチンを接種していないと感染が拡大してしまうという。
ただし全国的にみれば、米国で暮らす幼児たちのワクチン接種率は95%近くで高止まりを続けている。
だが、2011年に小児科専門誌「ピディアトリクス(Pediatrics)」で発表された調査によると、10家族のうち1家族の割合で、子どもたちにワクチン接種を推奨される頻度で受けさせることにこだわってはいない親が存在していることが分かり、さらに親の4分の1がワクチンの安全性に疑念を抱いているという。
米国では通常、はしかの感染者数は毎年60例前後とされている。
ブルーム教授は「危機的な状況を迎えたとは思っていないが、こうした風潮はますます強まっており、予防接種の実施数はますます減少している」と懸念する。