■ニューヨークでの「ドラゴンフライ」計画

 同氏の「ドラゴンフライ(トンボ)」と銘打たれたプロジェクトは、米ニューヨーク(New York)市にあるルーズベルト(Roosevelt)島に巨大な「垂直型農場」を建てるというものだ。

 ガラスと鋼鉄でできた巨大な建物は、トンボの羽を想起させるものとなっており、計画では、酪農および食肉や鶏卵の生産施設をはじめ、果樹園、牧草エリアが用意される他、オフィスや居住施設、公共レクリエーション施設なども併設される。

 エネルギーは日光と風からつくる。冬季には「羽」から取り入れた温風を暖房に使い、夏には自然の通風と豊富な植物による蒸散で温度を下げる。屋外で育つ植物に濾過された雨水は、ビルからの排水と混ぜられた後、有機的に処理されて肥料となる。

 そしてビルの足元を流れるイーストリバー(East River)に浮かぶ水上マーケットでは、居住者が有機農産物を販売する。

 カレボー氏は自身のアイデアを軽視する人たちについて、「みんな僕をからかうのさ。SF映画を作ろうとしているって」と話す。

 しかし、人口過剰や気候変動など、この星が直面する問題への懸念が高まる中、同氏のアイデアは注目を集め、「ドラゴンフライ」は中国の国際見本市にも出品されている。(c)AFP/Mariette LE ROUX, Claire SNEGAROFF