太平洋北西部の冬季低気圧、大気汚染で強度増大か 米研究
このニュースをシェア
■シミュレーションと一致した過去のデータ
またエアロゾルにより、通常よりも明るい、高高度の巻雲や鉄床(かなとこ)雲の形成が促される可能性がさらに高くなるという。
この種の雲は海面温度の上昇を促す。その結果、温度が上昇した海面からは、低気圧を発達させる熱が供給されることになる。この追加の温暖化効果は、最大で11%に達する可能性がある。
研究チームはコンピューターモデルを作製し、1月と2月に低気圧が発達する日本から東の北緯度30度付近の地域に向かって、東アジアから風下に吹き流されるエアロゾル汚染のシミュレーションを行った。
シミュレーションの結果は、20年分の衛星データと高い一致を示した。1979~1988年はアジア経済の急成長が始まる前で、2002~2011年は特に中国で経済成長が本格化した時期に当たる。
後者の時期には、低気圧の強度に明らかな上昇がみられるが、暴風雨が発生する頻度や場所に変化はなかったとワン氏は指摘した。
エアロゾルが雲に及ぼす影響については、これまでの研究でも様々に異なる結果が得られており、気象科学で不確定な範囲が最も大きいものの1つと考えられている。(c)AFP