【11月6日 AFP】ハンガリー西部で2010年、アルミニウム精錬工場の廃液貯水池から大量の有害廃液が流出した事故をめぐる裁判で、同国首都ブダペスト(Budapest)の裁判所は5日、工場運営会社に対し、被害者への賠償金支払いを命じる判決を下した。

 裁判所はMALハンガリーアルミニウム製造販売会社(MAL Hungarian Aluminium Production and Trade Company)に、事故で子供1人を失い、さらに2人の子供が重度のやけどを負った家族への3200万フォリント(約1430万円)の支払いを命じた。

 今回の訴訟は、同社に損害賠償を求めて起こされた23件の訴訟のうちの最初のもの。MAL社側は、5日の判決に対し上訴する構えを見せている。この他に同社は2011年、1350億フォリント(約604億円)を地元環境当局に支払うよう命じた判決を受けている。

 事故は2010年10月4日に発生。110万立方メートルの悪臭を放つ有毒な泥が貯水池の壁を破って流出し、死者10人と負傷者約150人を出し、数百人が家を失った。汚泥が流れ込んだ近くの河川ではほぼ全ての生物が死滅し、汚泥はドナウ川にも達するなど、ハンガリー史上最悪の環境汚染事故となった。(c)AFP