【4月25日 AFP】銃による暴力で負傷した子どもの方が、他の原因でけがをした子どもよりも集中治療を必要とすることが多く、また死に至る危険性は大幅に高いとの研究結果が、23日の米国医師会雑誌(Journal of the American Medical AssociationJAMA)に掲載された。

 1990年代半ば以降、米連邦政府は銃暴力に関する研究への助成を中止しているため、今回の報告書は、米国における銃暴力について貴重な分析を提供している。

 コロラド(Colorado)州の都市部にある外傷センター2か所で実施した小規模の研究によると、病院の緊急治療室に来る子どものうち、約2%が銃でけがをした子どもで、そのうち13%が死亡した。比較して、銃以外の原因で外傷センターに来た子どもが死亡した例は極めて少なく、わずか1.7%にとどまった。

 データーは2000~08年にかけて、デンバー(Denver)とオーロラ(Aurora)にある外傷センターに、銃器による負傷で搬送された4~17歳の子どもから集められた。この期間中に計6930人の子どもが負傷し、うち約2%の129人が銃による負傷だった。さらにこの129人のうち、およそ半数が集中治療を必要とし、また17人(13%)が死亡した。

 コロラド大学(University of Colorado)公衆衛生学部、デンバー健康医療センター(Denver Health Medical Center)コロラド小児病院(Children's Hospital Colorado)の医師らは、研究報告書の中で「他の重傷と比較して、銃器による負傷はより深刻で、集中治療を必要とする場合が多く、多くの命を奪っている。銃器による子どもの負傷を優先的に防止する方針の正当性が示された」と述べた。(c)AFP