【4月3日 AFP】チェコ共和国(Czech Repubic)は2日、がん、パーキンソン病、多発性硬化症、乾癬(かんせん)などの患者向けに、医療用マリフアナ(乾燥大麻)の合法的な販売を全国の薬局で開始した。

 この新しい法律の下では、マリフアナに健康保険が適用される見通しはない。マリフアナは一部では、さまざまな病気の特効薬ともてはやされている。

 処方せん薬のマリフアナは1日に正式に合法化されたが、チェコ国内の薬局の大半は同日、イースター休暇で閉まっており、実質的に入手は不可能だった。

 報道によると、チェコ政府は最初の約1年間は、イスラエルかオランダからマリフアナを輸入する予定だという。その後は、薬物規制当局が国内の栽培業者に最長5年間有効の栽培許可証の発行を行う。当局は作付面積の決定と、農家からのマリフアナ購入の入札管理も行う。

 2004年に欧州連合(EU)に加盟したチェコは、「ソフトドラッグ」と呼ばれるマリフアナなど精神中毒性の低い薬物に対して、欧州内で最も寛大な処置を行っている。マリフアナ15グラムまでの所持、または大麻5株までの栽培に対する処罰は、少額の罰金程度で済む。チェコ政府のこうした対応に魅力を感じて、隣接するポーランドなどの、より厳しい法律が適用される国々からマリフアナ吸引者らが同国に集まってくるケースが多い。(c)AFP