【3月18日 AFP】地震発生中に固体の金が「ほぼ瞬時に」地殻中に堆積する可能性があるとする研究論文が、17日の英科学誌ネイチャージオサイエンス(Nature Geoscience)に掲載された。

 オーストラリアの研究チームによると、地殻中の液体で満たされた空洞が地震の振動で裂け、急激な圧力低下が起きると、金が形成されるという。この圧力低下によって液体は急激に膨張・蒸発し、液体中に溶解していた金粒子は「ほぼ瞬時に凝固・沈殿」するという。地震が繰り返し発生すれば、結果として採掘採算レベルの金鉱床が蓄積・形成される可能性があるという。

 世界の既存の金の大部分は、30億年程前の造山運動が活発だった地質年代に形成された石英鉱脈中から産出されるという。この鉱脈は地震発生中に形成されたが、圧力変動の大きさや、どのように金の鉱化を促進するのかはこれまで不明だった。

 研究チームは今回の研究で、数値モデルを使用して、地震中に液体で満たされた断層空洞で発生する圧力降下のシミュレーションを行った。これにより研究チームは、世界の金資源に関する長年の疑問、金がほぼ溶解した状態から採掘可能な固体の状態にどのようにして凝縮されるのか、に答えを出した。

 100トンの金鉱脈鉱床が形成されるのに、10万年ほどかかるという。(c)AFP