【1月24日 Relaxnews】米空港の保安検査で裸体に近い画像が表示されると不評を買っていた新型の全身透視スキャナーについて、米運輸保安局(Transportation Security AdministrationTSA)はこのほど、導入を中止すると発表した。既に設置されたものも順次、撤去する。

 問題とされたのはラピスキャン(Rapiscan)社の全身透視スキャナー。後方散乱X線技術を用いているが、スキャンされた人物の画像がまるで全裸に見えることから「ヌード・ボディースキャナー」などと呼ばれ、問題視されていた。米空港では今後も旅行者に全身スキャナー通過が求められるが、表示される画像は体の輪郭を示すだけになるという。

 科学技術系ニュースサイト「ワイアード(Wired)」によると、米議会はラピスキャン社にATR(自動目標認識)ソフトを使用した一般的なボディースキャナーに切り替える猶予期間を与えていたが、同社が期限に間に合わなかったため空港から同社スキャナーを撤去することが決まった。

 後方散乱X線技術を用いた全身スキャナーをめぐっては、プライバシー侵害や米憲法違反だとする苦情が殺到し論争を呼んだが、米連邦控訴裁判所は2011年7月、憲法違反には当たらないとの判断を示していた。(c)Relaxnews/AFPBB News