【9月5日 AFP】国際NGOオックスファム(Oxfam)は5日、気候変動と、干ばつやハリケーンなどの異常気象の増加により、食糧価格が今後20年で2倍に高騰する可能性があると述べた。

 オックスファムは、現状の気候変動調査が異常気象を考慮に入れていないと指摘。異常気象の増加だけで、気候変動それ自体による食糧価格上昇と同程度の上昇が引き起こされる可能性があると警告した。

 オックスファムは、英サセックス大学(University of Sussex)の開発学研究機関(Institute of Development StudiesIDS)に、今夏米国を襲った熱波と干ばつのような異常気象による影響を考慮に入れた新たな調査を依頼。調査報告書は、2030年の世界市場の輸出価格が、トウモロコシで2010年と比べて177%高く、小麦は120%上昇、コメは107%上昇すると推計している。

 この価格上昇予測のうち、気温上昇や降雨パターンの変化などの気候変動に起因するのは半分から3分の1程度で、異常気象による影響の方が、長期の価格上昇予測に対してより大きな影響を及ぼしていた。「2012年の米国の干ばつが示すように、異常気象は食糧価格の極端な高騰を意味する」と、オックスファムは述べた。

 世界銀行(World Bank)によると、米国の干ばつの影響で、世界の食料価格は7月に10%上昇した。また、トウモロコシ価格は25%高騰し、さらに上昇する見通しだ。だが、発展途上国の農家は資金調達の手段をもたないために生産を増やすことができず、食糧価格の高騰を上手く活用することが難しいのが現状とオックスファムは付け加えた。(c)AFP