【6月13日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)の付属機関、国際がん研究機関(International Agency for Research on CancerIARC)は12日、ディーゼルエンジンの排気に発がん性があるとして人への暴露の低減策を講じる必要があると発表した。

 IARCの研究グループのリーダー、クリストファー・ポーティエ(Christopher Portier)氏は「ディーゼルエンジンの排気は人間の肺がんを引き起こす」と述べた。また、ぼうこうがんのリスク増大にも「明らかな関連性」があるとも同機関は発表した。

 ディーゼル排気は自動車のほか、列車や船舶、発電機から排出される。ポーティエ氏は「さまざまな化学物質から成るディーゼル排気微粒子が健康に与える悪影響がさらに明らかになったことに鑑み、これら化学物質への暴露を世界規模で低減するべきだ」と述べている。IARCは1988年、ディーゼルの排ガスを「恐らく発がん性がある」物質のグループに分類していた。

 ポーティエ氏の研究グループは、ガソリンの排気については1989年発表の評価と変わらず「発がん性が疑われる」との結論に至ったとも同日発表している。(c)AFP

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