【5月17日 AFP】世界自然保護基金(WWF)は15日、「生きている地球レポート(Living Planet Report)」を発表し、急増する世界人口とそれに伴う過剰消費の悪循環によって将来の地球の健康状態が脅かされていると警告した。天然資源に対する需要が持続不可能なレベルまで増えつつあり、生物多様性を「途方もなく」圧迫していると述べている。

 隔年発行される同レポートでWWFは、地球の資源再生能力に対する各国の再生可能資源の消費量を比較し、エコロジカル・フットプリント(人間活動が環境に与える負荷)を算出した。

 環境負荷が最も高い国はカタールで、これにクウェートとアラブ首長国連邦(UAE)が続き、中東諸国が上位を占める結果となった。残る2国はデンマークと米国だった。

 また高所得国のエコロジカル・フットプリントは、低所得国と比べて平均5倍も大きいことも判明した。世界全体のフットプリントは1966年から倍増した。

 生物多様性は世界全体で1970年比30%減少し、最もダメージが大きい熱帯地域では60%も減少した。

 WWFインターナショナルのジム・リープ(Jim Leape)事務局長は、次のように述べている。「私たちは、あたかも使い捨てできる地球をもう1つ持っているかのような暮らしをしている。地球が持続生産可能な量を50%も上回る資源を使い続けており、このような生活を続けるのならば、2030年までに地球が2つあっても足りなくなるだろう」 (c)AFP

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