【10月25日 AFP】脂肪分の高い食事をとる習慣のある男性の子どもは糖尿病になりやすいとする研究結果が21日、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 オーストラリア・ニューサウスウエールズ大(University of New South Wales)のマーガレット・モリス(Margaret Morris)氏が主導する研究チームは、肥満になるまで高脂肪の食事を与えられ、2型糖尿病の前兆を示したオスのラットのグループと、平均的な体重のメスのラットのグループを交配させた。生まれた子ラットは厳しい食事管理下に置かれたにもかかわらず、若いうちに耐糖能障害とインスリン分泌障害になった。

 モリス氏は「ラットの実験で観察されたことが人間にも当てはまるとすれば、人間の糖尿病の発症年齢が下がってきていることも説明できる」としている。

 モリス氏は、子ラットに起きた代謝の問題は父親の健康障害が子どもに遺伝することによるものではなく、むしろ、父親の食事習慣により精子が受けた損傷によるものだと指摘する。

 同氏によると、過体重の母親から太った子どもが生まれやすいことや、女性の妊娠前、妊娠中の体重が子どもの健康に影響を与えることはこれまでにも明らかになっているが、父親の食事習慣と子どもの健康を関連づけた研究は初めてだという。

 モリス氏は子どもを持つ前に、「男性も女性と同じく、食事に気を配り、喫煙やアルコールの摂取を減らす必要がある」と助言している。(c)AFP