【11月8日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は7日、米国の仲介による和平協議を前に、ロシアがウクライナ側に圧力をかけるため、攻撃を激化させていると非難した。

6日夜からの大規模攻撃ではエネルギーインフラも標的にされ、気温が低下する中、各地で停電が発生した。米国の仲介によるウクライナ、ロシア、米国の3者協議は、10、11日にアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで予定されている。

ウクライナのエネルギー省によると、複数のエネルギー施設に対する大規模攻撃により、ドニプロペトロウスク、ドネツク、キーウ、ジトーミル、ハルキウの5州で停電が発生し、首都キーウと周辺地域への送電にも深刻な支障が出ている。

ゼレンスキー氏は「交渉の再開に向けたパートナー諸国との新たな取り組み」を前に攻撃が行われたとし、「このタイミングでインフラへの攻撃を激化させることで、ウクライナとパートナー諸国に圧力をかけるための布石を打とうとしている」と述べた。

ロシアは4年半にわたるウクライナ侵攻を通じて、同国の電力網やインフラを繰り返し攻撃してきた。気温が氷点下に近づく中、ウクライナは再び厳しい冬を迎えようとしている。

ゼレンスキー氏によると、ロシアは夜間に無人機172機と弾道ミサイル36発を発射。この中には、北朝鮮が製造・供給した「KN23」ミサイルも含まれていたとみられる。

ゼレンスキー氏は、KN23ミサイルが被害を受けた主要エネルギー施設の一つに使用されたとの見方を示した。

ロシア国防省は7日の声明で、キーウとその周辺地域にある「軍需産業、エネルギー部門、輸送インフラの施設」を攻撃したと発表した。

キーウのビタリ・クリチコ市長は7日、夜間の攻撃でエネルギー施設と市内の主要な橋が被害を受けたと明らかにし、エネルギー供給の状況は「極めて厳しい」と警告した。

ドナルド・トランプ米大統領は繰り返し戦争終結の仲介を試みてきたが、ロシア側の広範な領土要求が障害となり、成果を上げられずにいる。ロシアは、ウクライナ側が現在も支配している地域を含め、東部ドンバス地方全域の支配権を要求している。

ゼレンスキー氏は、ロシアが新たな攻撃の足掛かりにする恐れがあるとして、ウクライナ側が支配する地域の引き渡しを拒否している。

2022年2月に全面侵攻を開始したロシアは現在、ウクライナ領土の約5分の1を占領している。(c)AFP