韓国、公判担当検事を増員、されど負担減らず…捜査・起訴分離で証拠提出にも混乱
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【11月06日 KOREA WAVE】韓国で捜査と起訴が分離され、公判担当検事1人当たりの担当裁判部数(担当する裁判の数)は減ったが、現場からは負担増を訴える声が上がっている。多くの検事が起訴判断と公判対応を兼務するうえ、裁判中に受け取った資料の証拠利用を巡り、実務上の混乱が広がっている。
「証拠申請を撤回します」。ある刑事裁判で、公判担当の検事が被害者側から受け取った資料を証拠として提出した直後、慌てて取り下げた。検事が受け取った資料は証拠能力が問題になる恐れがあったためだ。「警察による追加送付を経て、改めて申請する」と説明すると、同じ資料を持っていた被告側が代わりに提出すると申し出て、その場は収まった。
法曹関係者によると、検察庁が廃止され、公訴庁が発足した10月2日時点で、全国の公判担当検事は333人。9月末の295人から38人、12.9%増えた。1人当たりの担当裁判部数は平均1.84から1.62に減り、ソウル中央地方公訴庁では1.4となった。
ただ、10月7日時点の全国の検事数は1922人で、法定定員2292人の84%にとどまる。人手不足から、公判担当検事の多くが送致事件の処理も担っている。ソウルの公訴庁に勤務する検事は「担当を1人1裁判部にする代わりに、事件を割り当てて起訴業務も求める庁が多い。実質的には帳尻合わせだ」と話した。
10月の検事1人当たりの平均法廷出席日数は4日で、発足前の4~5日から大きく変わっていない。一方、全国の未処理事件は過去最多の約18万件に達した。公訴庁関係者は「公判担当検事も数百件の事件を処理しながら法廷に出ている。小規模な支庁では兼務が基本だ」と説明した。
証拠提出の混乱の背景には、改正刑事訴訟法245条の13がある。同条は、起訴や再捜査の決定、公判での立証に必要な場合、検事が事件関係者から供述や資料を受け取る「事実関係確認」の手続きを設けた。一方、その手続きで得た供述や資料は法廷で証拠として使えないと定めている。
争点は、この規定が裁判段階にも適用されるかだ。検察改革推進団の諮問委員を務めたヤン・ホンソク弁護士は、規定が刑事訴訟法の「捜査」の章にあり、「公訴」の章には同様の定めがないことを指摘。捜査と公判を分けた法体系に照らし、起訴後まで適用を広げることには問題があるとする。
一方、条文に「公訴維持に必要なとき」と明記されている以上、公判段階にも適用されるとの見方も根強い。ある部長検事は「起訴前だけを定めた条文とは考えにくい。起訴後も含むと見るべきだ」と述べた。
裁判部ごとの対応も統一されていない。裁判官が裁判所名義で事実照会をしたり、検事に「職権で認めるので証拠を持ってくるように」と伝えたりする例があるという。法務省と公訴庁は法的検討に着手したが、法律改正を伴わない指針には強制力がなく、裁判所が従う義務もない。公訴庁関係者は「根本的には法改正か、最高裁の判断が必要な問題だ」と話す。
法曹界では、不利益を被害者が負うことへの懸念が出ている。元部長検事の弁護士は「検事は違法な証拠にならないよう慎重に判断せざるを得ない。重要な証拠があっても警察による追加送付を待つ必要があり、裁判が遅れる。送付が間に合わなければ、証拠として使う機会自体を失う恐れもある」と指摘した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News