【11月4日 AFP】中国の王毅外相は3日、フィリピンの一部の政治家らが中国を繰り返し「中傷」し、「レッドライン(越えてはならない一線)」を越えたとして、フィリピン政府にそうした政治家らの言動を抑えるよう求めた。

両国は南シナ海の領有権をめぐって長年対立しているが、複数の外交上の問題を受け、ここ数週間は特に緊張が高まっている。

中国は先週、フィリピンで開催される地域会合への中国側の出席をめぐり、フィリピン政府が「数々の障害を設けている」と非難した。一方、フィリピンのギルベルト・テオドロ国防相は中国側の主張を否定した。

10月には、中国の井泉駐フィリピン大使が中国はフィリピンと戦えば「楽勝」だと発言し、フィリピン外務省が同大使を召喚し、抗議した。フィリピンの上院議員の一部からは同大使の国外追放を求める声も上がった。

中国外務省によると、王氏は3日、マリア・テレサ・ラザロ外相との電話会談で、両国関係は「現在、悪意ある妨害に直面している」と述べた。

さらに、フィリピンの「ごく一部の政治家」が「政治的偏見と私利私欲から中国を繰り返し攻撃、中傷し、中国のレッドラインを越えた」と非難した。ただし、具体的な詳細は明らかにしなかった。

王氏はフィリピン政府に対し、「関係者への監督を強化し、対中政策について理性的かつ統一されたメッセージを発信する」よう求めた。

一方、ラザロ氏はソーシャルメディアへの投稿で、会談は「率直かつ建設的」だったと説明。「双方は、外交対話を継続し、相互尊重に基づいて意見の相違を適切に管理する必要性を強調した」と述べた。

国連海洋法条約に基づくオランダ・ハーグの仲裁裁判所は2016年、南シナ海の広範な海域で「歴史的権利」を主張する中国の立場には、国際法上の根拠がないと判断した。それにもかかわらず、中国は判断を受け入れず、南シナ海のほぼ全域に対する権利を主張し、フィリピンなどとしばしば衝突している。(c)AFP