ソウル市瑞草区の公訴庁(c)news1
ソウル市瑞草区の公訴庁(c)news1

【11月03日 KOREA WAVE】実父から長期間にわたり性的虐待を受けた13歳の子どもの個人情報が、後見人の選任手続きで外部に公開される寸前だったことがわかった。韓国の公訴庁が裁判所に職権での後見人選任を求め、プライバシー侵害を回避した。

公訴庁によると、検察当局は2025年7月、13歳の子どもに長期間わいせつな行為や虐待を加えた実父と、それを黙認した実母を児童福祉法違反(児童虐待)の罪で起訴した。さらに同年11月、被害児童の意向を踏まえ、両親の親権喪失を求める審判を請求した。検事は、親が親権を乱用して子どもの福祉を損なう恐れがある場合、裁判所に親権喪失を請求できる。

両親がともに親権を失えば、子どもには法的な保護者がいなくなるため、後見人が必要になる。被害児童は当時、保護施設で暮らしており、施設長が後見人となる見通しだった。ところが、選任手続きを検討する中で問題が浮上した。施設で暮らす未成年者の後見に関する法律に基づく場合、扶養義務者の有無を確認するための公告が必要だった。

同法4条は、施設長に対し、施設所在地を管轄する自治体の首長に公告を依頼するよう義務付けている。子どもを引き受けられる家族がいるかを探す趣旨だが、乳幼児だけでなく、自分の意思を明確に表せる思春期の子どもにも例外なく適用される。公告は通常、自治体の公式ホームページに子どもの顔写真や個人情報、入所施設の所在地などを掲載する形で実施される。被害児童は、後見人の選任を諦めるか、プライバシー侵害を受け入れるかという状況に置かれた。

本人も個人情報が公開されると知り、強く拒否した。同世代の友人がいつでも検索できる場所に、自分の写真や施設の所在地が掲載されるためだ。

密陽支庁は、被害児童が13歳の思春期にあることを考慮し、公告を省略できる方法を検討。裁判所が職権で後見人を選任する場合は、公告が不要であることに着目した。検事は民法に基づく職権での選任を求める意見書を提出。裁判所は2026年8月、その趣旨に沿って後見人を選任し、両親の親権喪失を言い渡した。

公訴庁関係者は「検事が公益の代表として、民法に基づき施設長を後見人に選任するよう裁判所に求め、公告手続きを経ずに子どもの人権を守った」と説明した。そのうえで、同法4条の公告手続きについて「子どもの年齢など具体的な事情を考慮し、施設の公告義務を免除できる例外を設けることが望ましい」と指摘した。

公訴庁は、全国の各庁が担った公益代表業務の経験を共有し、類似事件の参考にするため、事例集を作成している。今回のように社会的に弱い立場の人の権利保護に貢献した事例などを選び、事件の概要や法的争点、対応の経過と結果を収録。11月中に全国の各庁へ配布する予定だ。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News