韓国で有名人のAIダンス動画が拡散…「遊び感覚」の無断合成、肖像権侵害の懸念
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【11月03日 KOREA WAVE】サムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔)会長とエヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が、一緒にガールズグループのダンスを踊る――。韓国のSNSで、有名人の顔を人工知能(AI)で合成した動画が流行し、肖像権やパブリシティー権の侵害を懸念する声が高まっている。写真1、2枚で動画を作れるサイトやアプリの登場により、他人の顔を無断利用することへの警戒感が薄れる恐れも指摘される。
最近は、イ・スマン氏がプロデュースした新人ガールズグループ「A2O LITE(エーツーオーライト)」の楽曲「NEON」に合わせ、俳優やタレント、経営者の顔を合成した動画が相次いで共有され、多いものは数百万回再生されている。英語の歌詞「Neon and Beyond」が、韓国語の「未婚と非婚」「胃炎と鼻炎」のように聞こえるという反応から替え歌動画が流行。そこにAI合成動画も加わり、ネット上で模倣される「ミーム」として広がった。
背景には制作の手軽さがある。実際に、あるアプリで動画のテンプレートを選び、合成用の写真2枚をアップロードすると、約2分で15秒の動画が完成した。専門的な編集技術がなくても、誰でも作れるようになっている。
問題は、本人の同意なく制作・拡散することが遊びとして受け止められている点だ。面白さが目的でも、他人の顔を無断で合成して投稿すれば、肖像権侵害となる可能性がある。建国大学法学専門大学院のチョン・ヨンドク教授は「単なる遊びのミームでも、投稿の目的によって問題になり得る。有名人の顔を無断で合成した動画も肖像権侵害になり得る」と説明した。顔や声などを商業目的で無断利用すれば、パブリシティー権を侵害する恐れもある。
一方、侵害者の特定は難しい。与党「共に民主党」のソン・ジェボン議員が10月13日の国政監査で公表した資料によると、知識財産処が主要芸能事務所と共有した侵害の疑いがある74件のうち、行政調査につながったのは9件、12.2%にとどまった。
現行の不正競争防止法は、氏名、肖像、音声など個人を識別できる要素を保護している。ただ、実際の顔や声をそのまま使わないAI合成・模倣・改変物を、どこまで特定個人を示すものと判断するか、具体的な基準は十分ではない。知識財産処は同14日、AIなどで有名人の顔や声を本物そっくりに再現・合成したコンテンツの悪用について、刑事罰の規定を新設する方針を示した。オンラインプラットフォームに侵害コンテンツの遮断への協力を求める法的根拠も整えるという。
中央大学コミュニケーション大学院のアン・ジョンサン兼任教授は、主な流通経路であるSNSにも一定の責任と義務を課す必要があると指摘。他人の写真や音声の利用に同意や許諾を求める法制化も検討に値するとした。大衆文化評論家のハ・ジェグン氏は「本人が不快に感じているのに、他人が無理に遊びの材料にすることにつながれば、深刻な問題だ」と警告した。
チョン・ヨンドク氏も「流行に乗り、法律をよく知らずに制作する人も多いだろう」としたうえで、処罰や損害賠償の対象になり得ることを認識すべきだと強調した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News