韓国・永登浦の簡易宿泊地区、再開発前に住民離散…仮住まいに入れず家賃も上昇
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【11月03日 KOREA WAVE】冬を前に再開発が進むソウル市永登浦駅近くの「チョッパン村」で、住民が住まいの確保に苦慮している。仮住まいの施設に入れず、周辺の賃貸部屋へ移る人もいるが、家賃の上昇が負担となっている。
京畿道と仁川に今季初の寒波注意報が出た10月22日午後、地区の入り口には人影が少なく、路地のあちこちに衣類やごみが積まれていた。建物の扉にはソウル住宅都市開発公社(SH)の立ち入り禁止の通知が貼られ、「事業に伴う補償は完了した」と記されていた。無断で出入りしたり、鍵を壊したりすれば、民事・刑事上の責任を問われる可能性があるという。施錠された鉄扉の隙間には猫が1匹いた。路地でも野良猫が目についた。
去ったのは住民だけではない。ある扉には、再開発に伴って診療所「ヨセフ医院」がソウル駅近くへ移転するという、2025年7月の案内が残っていた。通り掛かった住民は「一番大きな商業建物も最近取り壊された」と話した。高架道路下の公衆トイレ前では、路上生活者らが傷んだ布団や毛布、古紙の山の上で酒を飲み、話していた。
路地の奥で暮らすチョン・ウネさん(72)は金物店を畳み、店を改造した約3坪の部屋に住んでいる。暖房用ボイラーはなく、布団やベストを重ねて寒さをしのぐ。隣で商店を営んでいた人も2025年に亡くなったという。「引っ越す人より、高齢で亡くなる人の方が多い」。空き家の全てが再開発に伴う転居で生まれたわけではないと語った。
炊き出し施設「愛の家」で食事配りのボランティアをするソ・サンホンさん(66)は、2016年からこの地区で暮らす。現在は地区のすぐ前にある仮住まい施設「イウム村」の一室で生活している。「ガスは使えないが電気は通っている。そこで寝て、仕事やボランティアの時は外へ出る」と話した。施設の入り口には、食事支援の協力店の閉店や、65歳未満の住民へのインフルエンザワクチン無料接種、寄付物資の配布を知らせる案内が貼られていた。
住民らは、地区が既に無人になったかのような見方を否定する。チョン・ウネさんは「奥にはまだ多くの人が住んでいる。移ったのは主に商店主だ。行き先がなく、店だけ畳んで近くの賃貸部屋に暮らす人も多い」と説明した。ソ・サンホンさんも、炊き出しの利用者は引き続き多いと話す。仮住まい施設は選考を経て入居する仕組みで、「入居者の8~9割は生活保護受給者で、もともとこの地区にいた人たちだ」という。
入れなかった人は文来洞などに散っていった。ソ・サンホンさんによると、残っている賃貸部屋に需要が集中し、月10万~15万ウォン(約1万1800~1万7700円)だった家賃が、ほぼ30万ウォン(約3万5400円)まで上がった。「ここに根を下ろした人は住み続けたいのに、取り壊しの話が出てから家賃が高くなりすぎた」と訴えた。11月に解体が始まるとの話もあるが、正確な状況は分からないという。
午後4時半ごろ、近隣教会の賛美歌の演奏が終わり、パンの配布が始まると、荷物用カートやつえ、傘を支えにした高齢者らが列を作った。
地区の公共住宅事業は782戸を整備し、2029年の入居を目指す。国土交通省は3月、先行開発区域の住民移転が終わり次第、施工会社を選び、年末に着工する計画を示していた。
(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News