【11月2日 AFP】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権は2日、米政府がアフガニスタン人移民150人以上をパキスタン経由で母国に強制送還する計画について、懸念を表明した。

米メディアや支援団体によると、送還対象者には2021年の米軍撤退前に米軍を支援した人々の親族も含まれているという。

タリバン暫定政権のアブドル・カハル・バルヒ外務省報道官は声明で、米国が一部のアフガニスタン人難民をパキスタンに強制送還する計画だとの報道について、「深刻な懸念」を表明した。

支援団体は、かつて米国に協力していた人々やその家族が強制送還されれば、命が危険にさらされる恐れがあると指摘している。

タリバン暫定政権は2021年に権力を奪還した後、欧米諸国の支援を受けた軍や政府のために働いていたアフガニスタン人に対する全面的な恩赦を発表。今年に入ってからも、かつて敵対していた人々が安全に帰国できると繰り返し約束している。

しかし国連は、超法規的殺害や拘束、虐待が行われたとの報告を記録している。

トランプ米政権は昨年、移民取り締まり強化の一環としてアフガニスタンなど複数国を対象に入国禁止措置を導入。2021年のタリバンによる政権掌握後に特別移民ビザを付与された人々を含め、アフガン人への送還免除措置を撤廃しようと動いてきた。

米軍協力者の支援団体「アフガンエバック」によると、送還対象にはカブール陥落前に現地で米軍を支えた関係者の親族が含まれている。

米国はアフガニスタンへ直接送還する手配が取れないため、パキスタン当局が最終的なアフガニスタンへの追放手続きを担う見通しだと、米政府当局者が米紙ニューヨーク・タイムズに匿名で明かした。

バルヒ報道官は、タリバン暫定政権が米国に対し、「この問題について責任ある慎重な対応を取り、アフガニスタン国民の処遇に関するあらゆる決定や措置に際しては、双方の明確な共通認識と必要な調整を図り、当事者の権利と正当な要求を考慮する」よう求めていると述べた。また「アフガニスタン側は、この問題について実務的に、相互理解に基づいて協議する用意がある」と付け加えた。

パキスタン政府は今年初め、数十年にわたる戦乱で流入した数百万人の難民を母国へ押し戻す送還政策の一環として、不法滞在のアフガン人を一斉摘発するよう全国の治安当局に命じていた。

パキスタンとタリバン暫定政権の関係はタリバンの復権以来冷え込んでおり、昨年10月には死傷者を伴う国境衝突が発生し、国境がほぼ全面的に閉鎖されるなど緊張が一段と高まっている。(c)AFP