米ペンシルベニア州にあるハンファ・フィリー造船所=ハンファ提供の資料写真(c)news1
米ペンシルベニア州にあるハンファ・フィリー造船所=ハンファ提供の資料写真(c)news1

【11月02日 KOREA WAVE】韓国ハンファが、米海軍の中型揚陸艦(LSM)建造事業を初めて受注した。2024年12月に米フィリー造船所を買収して以来、米海軍艦艇の新造契約を獲得したのは初めて。これまでの艦艇設計への参加から、実際の建造へと事業を広げる。

ハンファグループによると、防衛部門の米国法人ハンファディフェンスUSAが10月29日(現地時間)、米海軍の船舶建造管理会社トート・サービスとLSM1隻の建造契約を結んだ。契約額は2億6900万ドル(約424億円)で、米ペンシルベニア州のハンファ・フィリー造船所が建造を担当する。追加で3隻を建造できるオプションも含まれる。建造開始は2027年10~12月期を予定している。

契約には、米海軍が専門企業に造船所の選定や建造管理を委ねる船舶建造管理者(VCM)方式が採用された。トート・サービスは競争入札を経て、ハンファディフェンスUSAを選定した。

米海軍はLSMを計35隻導入する計画で、事業全体の1番艦は2030年に引き渡される予定だ。ハンファは今回の実績を足掛かりに米海軍艦艇市場への進出を本格化し、後続艦の受注に向け、人材育成や設備投資を進める方針だ。

LSMは、米海軍がインド太平洋などの紛争地域の沿岸で分散作戦を展開するために導入する揚陸艦。海兵隊員や装備、補給物資を沿岸地域へ輸送・展開する任務を担う。全長100メートル、幅16メートル、軽荷排水量約2687トンで、航続距離は約7400キロとなる。米海軍は、オランダのダーメンが開発した中型戦車揚陸艦「LST-100」の設計を基に調達を進めている。既存の商用設計を活用し、複数の造船所で同時に建造することで、早期の戦力化を目指す。トート・サービスは7月、同事業のVCMに選ばれ、22億ドル(約3460億円)規模の契約を結んだ。

建造企業の選定では、安全性、品質、納期順守の実績などが総合的に評価された。フィリー造船所は、米海事局の国家安全保障多目的船(NSMV)事業でトート・サービスと協力し、4隻を建造・引き渡すなど、継続的な協業実績がある。ハンファディフェンスUSAも2026年初めからフィラデルフィアに人員を配置し、造船所の海軍事業参入に向けた準備を支援してきた。

今回の受注により、フィリー造船所は商船に加え、米海軍艦艇を建造する拠点としての基盤を確保した。3月にはハンファディフェンスUSAとともに、米海軍の次世代補給艦(NGLS)の概念設計にも参加している。

ハンファディフェンスUSAのマイケル・コールター代表は「フィリー造船所の買収以降、米海軍など連邦政府向けの船舶建造基盤を整えるため、人材と技術に大規模な投資を続けてきた」と説明。「予定と予算に沿って艦艇を引き渡せるよう、トート・サービスと協力していく」と述べた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News