輸出用コンテナが積まれた京畿道の平沢港(c)news1
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【11月02日 KOREA WAVE】韓国の年間輸出額が初めて1兆ドル(約157兆円)に達する見通しとなった。1995年に1000億ドル(約15兆7000億円)を突破してから31年で10倍に拡大し、実現すれば米国、中国、ドイツに続く世界4カ国目となる。ただし、輸出の約半分を半導体が占める偏りや、対米貿易黒字の拡大に伴う通商圧力への懸念も強まっている。産業通商省によると、2026年1~10月の累計輸出額は前年同期比60.6%増の9300億ドル(約146兆円)。年間1兆ドルまで残り約700億ドル(約11兆円)となり、キム・ジョングァン(金正官)産業通商相は11月中の達成が確実視されるとした。

韓国の輸出を支える主役も変わってきた。1995年は自動車や船舶などの重化学工業製品が中心だったが、その後は無線通信機器や液晶パネル、石油製品などが成長をけん引。2018年には半導体の年間輸出額が単一品目で初めて1000億ドルを超えた。2025年の年間輸出は7000億ドル(約110兆円)を突破。2026年は6月に月間輸出が初めて1000億ドルを上回り、10月も1153億ドル(約18兆2000億円)と過去2番目の実績となった。

急増の中心は半導体だ。世界の大手IT企業による人工知能(AI)インフラ投資で需要が伸び、メモリー価格も上昇した。輸出全体に占める半導体の割合は、2020年の19.4%、2025年の24.4%から、2026年9月には49.8%、10月には49.0%へ拡大した。1~10月の半導体輸出は前年同期比193%増の3968億ドル(約62兆5000億円)。最近3カ月の平均的な輸出ペースが続けば、年間では5000億ドル(約78兆7000億円)を超える。10月の半導体輸出564億ドル(約8兆8800億円)のうち、89%に当たる501億ドル(約7兆8900億円)はDRAM、NAND型フラッシュメモリー、広帯域メモリー(HBM)などのメモリーだった。メモリーだけで総輸出額の43.5%を占めた計算だ。

国会予算政策処は、AIの用途が学習から推論へ広がり、大量のデータを保存・活用するメモリーが重要部品になったと分析する。技術と生産能力に強みを持つ韓国企業が恩恵を受けた。

ただし、輸出額の拡大には価格上昇の影響も大きい。9月の輸出金額指数は2020年の2.9倍だった一方、数量指数は1.8倍にとどまった。DDR4・8ギガビットの固定取引価格は1年で3倍以上に上がり、追加上昇の余地を疑問視する見方もある。国会予算政策処は、通関ベースの輸出増加率が2026年の54.0%から2027年は10.0%に鈍化し、同年後半には2.6%まで低下すると予測した。2026年の急増の反動が主な要因だ。

大手IT企業の投資継続にもリスクがある。社債発行で投資資金を調達する企業は、金利や信用環境が悪化すれば負担が増す。電力設備の不足によるデータセンター整備の遅れや、中国メモリーメーカーの増産・技術力向上も懸念材料となる。一方、証券業界には、メモリー不足が2027年に一段と強まり、AIインフラ投資の拡大も続くとの見方がある。

対米黒字の拡大も新たな課題だ。2026年の累計対米貿易黒字は1023億ドル(約16兆1000億円)と、初めて1000億ドルを突破。従来の年間最高だった2024年の556億ドル(約8兆7500億円)の2倍近くに達した。米国はこれまでも対米黒字を問題視し、関税による圧力をかけてきた。今後は半導体が標的になる可能性も指摘される。キム・ジョングァン氏は、主要国の自国優先主義や供給網再編、中東情勢などに警戒し、通商協力を通じて企業の不確実性を抑える方針を示した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News