【11月2日 CNS】近年、中国の若者の間で、ホラー映画やお化け屋敷など、恐怖を楽しむエンターテインメントが人気を集めている。SNSでは、ホラー映画の登場人物を再現した仮装も話題となっている。ハリウッド(Hollywood)映画シリーズ『バイオハザード(Bio Hazard)』の主人公がかぶっていた子羊の帽子を手編みする人や、映画『オブセッション 災愛(原題:Obsession)』のラストに登場する衝撃的な場面を再現した黒いドレスを着る人、映画『バックルームズ(原題:Backrooms)』に登場する不気味なメークを再現する人もいる。

2026年、中国の映画館ではホラーやスリラー作品の上映が相次いでいる。現在公開中の『バイオハザード』は、興行収入が4億3500万元(約102億7565万円)に達し、国慶節の大型連休期間に公開された外国映画の中で興行収入トップとなった。

これに先立ち、『シャイニング(原題:The Shining)』や『トライアングル(原題:Triangle)』など、欧米の名作ホラー映画も中国の映画館で相次いで上映された。夏休み期間に公開された低予算のホラー映画『バックルームズ』と『オブセッション』も好調で、『バックルームズ』の中国本土での興行収入は1億8000万元(約42億5199万円)、『オブセッション』は2億元(約47億2444万円)を突破した。

映画評論家の波爾卡(Bo Er Ka)さんは、「今年はホラー映画の上映本数が明らかに増えた」と指摘する。海外のホラー映画が相次いで中国に導入されていることは、多様化する観客のニーズに映画市場が対応しようとしている表れだと分析し、「映画館は上映作品のジャンルを充実させることで、興行収入の拡大を図る必要がある」と話した。

ホラー映画ファンの雲鴎(Yun Ou)さんは、最近公開された話題のホラー映画をほぼすべて鑑賞したという。「ホラー映画は映画館で見ないと楽しさが半減します。特に心理的な恐怖を描く作品は、サラウンド音響や大スクリーンによって、突然驚かせる演出『ジャンプスケア』の迫力が増します。そうした環境でこそ、存分に楽しめると思います」と語った。

中国の観客にとって、ゾンビや怪物が登場し、残酷な描写が続く『バイオハザード』は、映画館ではあまり見られないほど強烈な視覚的刺激を与える作品となっている。

SNSユーザーのShobyさんは、「映画館で見た作品の中でも、これほど過激な描写がある映画はほとんどありません。気分が悪くなる場面もありましたが、ストレス発散になり、嫌なことをすべて忘れられました」と話す。

また、単なる刺激だけでなく、作品の内容にも共感したという。「主人公はおどおどしながら世界を救おうとしますが、最後にはばかばかしい結末を迎えます。そこには皮肉が込められていると感じました。普通の人が抱える勇気や葛藤は、多くの働く人たちの共感を呼ぶと思います」と語った。

中国のSNSでは、同作品の印象的な場面を題材にした二次創作も、ショート動画やネット上の議論を通じて広がっている。

中には、映画本来の「バッドエンド」をAIで「ハッピーエンド」に作り替えた動画もある。主人公がテスラ(Tesla)のスポーツカー「ロードスター」に乗り込み、無傷のまま飛び越えて任務の目的地に到達するという内容だ。

映画だけでなく、中国各地のテーマパークに設けられたお化け屋敷や、観光地で登場人物に扮したスタッフと交流するホラー体験型イベントも、若者の人気を集めている。

北京ユニバーサルスタジオ(Universal Studios Beijing)では今年、4年連続となるハロウィーンイベント「驚彩環球」を開催し、中国の人気小説『盗墓筆記』やゲーム『Identity V 第五人格』などを題材にしたホラーエリアを導入した。

報道によると、イベント初日から多くの来場者が訪れ、一部のアトラクションでは待ち時間が3時間に達したという。

園内に設けられた複数のホラーエリアの中でも、中国の怪奇伝承を題材にした「画皮幽宅」が特に注目を集めている。

このエリアでは、中国の古典怪奇小説集『聊斎志異』に登場する「画皮」の世界観と、没入感のある空間演出を組み合わせている。光る呪符や紙で作られた人形、桃の木で作られた剣などを配置し、不気味で緊張感のある雰囲気を演出することで、中国の伝統文化と現代のホラーエンターテインメントを融合させている。

多くの来場者は、こうした中国風のお化け屋敷が特に怖く感じられる理由について、昔から親しんできた文化や伝承を思い起こさせるためだと話す。

中国風ホラーは、民間伝承や伝統的な風習、怪奇物語などを通じて恐怖や謎を演出することが多い。見慣れた文化的なモチーフだからこそ、心理的な恐怖が生まれやすく、未知のものに対する想像力もかき立てられるという。

現在、ホラーを取り入れた娯楽はテーマパークにとどまらず、さまざまな観光施設へと広がっている。

近年、中国各地の観光地では、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)と呼ばれる登場人物をスタッフが演じ、観光客と交流する体験型イベントが増えている。物語に沿ったやり取りや課題への挑戦を通じて、観光客の参加意欲を高める仕組みだ。

中には、恐ろしいキャラクターが登場したり、夜間に追いかけられたりする演出を取り入れた施設もある。

多くの若者にとって、驚かされることで生まれる一時的な緊張感や、日常から離れた刺激、友人と一緒に恐怖や興奮を味わうことが、こうした体験型エンターテインメントの魅力となっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News