韓国の検察廃止から1カ月…告訴先も証拠提出先も分からず、市民に混乱
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【11月01日 KOREA WAVE】韓国で検察庁が廃止され、重大犯罪捜査庁(重捜庁)と公訴庁が発足して約1カ月。新たな刑事司法制度の現場で混乱が続いている。告訴・告発先が分からず、警察と重捜庁を行き来する市民が相次ぎ、事件のたらい回しへの懸念も消えない。検事が集めた資料を裁判の証拠として使えないとする改正刑事訴訟法の規定も、実務に影を落としている。
法曹関係者によると、捜査対象や管轄の基準が曖昧で、警察と重捜庁の相談窓口を訪ね歩くケースが続出している。10月20日に重捜庁を訪れた詐欺被害者は、ソウル警察庁に告訴状を提出したものの、担当する警察署が次々と変わったため、早期解決を期待して足を運んだ。しかし「警察への告訴を取り下げ、重捜庁に改めて告訴するよう案内され、再び警察署へ行かなければならなくなった」と訴えた。
重捜庁が担当する「6大重大犯罪」の範囲を理解せずに訪れる人も多い。コンビニでのトラブルを捜査した警察による防犯カメラ映像の改ざん疑惑を「警察の腐敗犯罪」として告発した人や、警察の管轄と知りながら「新しい重捜庁なら早く解決してくれそうだ」と訪れた名義盗用詐欺の被害者もいた。
重捜庁は原則として全ての相談や申し立てを受け付けている。関係者は「警察への不満から訪れる人や、両機関に同時に申し立てる人が多い。全て受け付けて手続きを案内するため、行政力が浪費されている」と話した。
弁護士も対応に苦慮している。一般犯罪と重捜庁の対象犯罪が混在する場合、どこまで移管するかが明確でないためだ。事件番号の付与なども大幅に遅れ、依頼人だけでなく弁護士も見通しを立てにくいという。
資料の提出先を巡る問題も深刻だ。改正刑事訴訟法245条の13は、検事が事件関係者と面談したり資料の提出を受けたりして事実関係を確認することを認める一方、それを裁判で証拠として使うことは認めていない。このため検事は、自分を経由しただけで証拠能力を否定されることを恐れ、資料の受け取りに慎重になっている。水原地方公訴庁の検事は内部ネットワークで、資料の提出方法を尋ねる電話が相次いでいると説明。「警察に提出するよう案内しても、既に送致済みだとして受け付けてもらえず、困り果てたという話もある」と明かした。
検事の直接的な補完捜査権が廃止された影響も大きい。従来は事件の発生場所など簡単な記載漏れを検事が確認できたが、現在は捜査機関に補完捜査を求め、回答後に改めて内容を確認する必要がある。身柄を拘束された容疑者については、検事が引き渡しを受けてから最大20日以内に起訴の可否を決めなければ、釈放しなければならない。複雑な組織的賃貸保証金詐欺などでは、期間内に補完捜査を終えるのが難しいとの指摘がある。
現職検事は「証拠が不十分なまま無理に起訴すれば、無罪率が高まる」と懸念する。首都圏の公訴庁の部長検事も「関係法令に不備が多く、今後も問題は見つかるだろう。国会による法整備が急務だ」と訴えた。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News