ソウル市瑞草区の梅軒市民の森に設置された三豊百貨店崩壊事故の慰霊塔=2025年6月29日(c)news1
ソウル市瑞草区の梅軒市民の森に設置された三豊百貨店崩壊事故の慰霊塔=2025年6月29日(c)news1

【11月01日 KOREA WAVE】ソウル市麻浦区のノウル公園で計画されていた三豊百貨店崩壊事故(1995年)の追悼モニュメント設置事業が、住民の反発を受けて保留となった。住民らは設置場所の再検討を求め、反対署名活動を続けている。市は住民の意見を聞く説明会の開催を検討しているが、現時点で別の場所への変更は考えていない。

ソウル市は4月、事故の犠牲者を追悼するモニュメントと追悼空間をノウル公園に整備すると発表した。市民が献花し、犠牲者をしのぶ場所を設け、事故の記憶と教訓を次世代に伝える狙いだった。しかし9月、住民の意見聴取が不十分だったことや、設置場所の妥当性を巡って議論が起こり、事業は保留となった。

麻浦区の住民らは、十分な協議がなかったとして反対署名を集めている。特に、公園が実際に事故の起きた場所から離れている点を挙げ、設置場所の変更を求めている。署名活動を進める住民団体は声明で「追悼そのものに反対しているのではない。麻浦区の住民と十分に協議せず、ノウル公園に追悼施設を設置することに反対する」と説明。別の場所や追悼方法も検討するよう求めた。

住民の反対意見を市に伝える動きもある。キム・ギドク市議は11月12日、市関係者との面談を調整しており、実現すれば反対署名簿を提出する予定だ。キム・ギドク氏は「これまでも住民の反対意見を何度も市に伝えてきた。今回は署名簿とともに、住民の立場を正式に伝える」と述べた。

現在、瑞草区の梅軒市民の森には事故の犠牲者を悼む慰霊塔がある。キム・ギドク氏や麻浦区の住民らは、新たなモニュメントも事故が起きた瑞草区一帯に設置すべきだと主張している。

一方、市はノウル公園にも事故との歴史的なつながりがあるとして、住民への説明を進める考えだ。百貨店の崩壊後、建物のがれきが蘭芝島に運ばれて処理されたためだ。市が1996年に刊行した事故白書によると、事故に伴うがれきなどの99.6%が蘭芝島で処理された。その後、埋め立て地から犠牲者の遺骨や遺留品が見つかったこともある。蘭芝島がノウル公園に生まれ変わった後も、一部の遺族は毎年、事故が起きた日にこの場所を訪れ、犠牲者を追悼してきた。

市関係者は「保留後、事業は進んでいない」と説明。「遺族と麻浦区の住民に理解を求める必要があり、住民説明会を開くか検討している」と述べた。別の場所を検討する可能性については「現時点では、その案はない」としている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News