【10月31日 AFP】女性蔑視などを特徴とするインターネット上の男性中心のコミュニティー「マノスフィア」について、たばこ産業と同様に公衆衛生上の問題として扱うべきだと、研究者らが警告した。

研究者らは30日、英医学誌ランセットに公表した報告書でマノスフィアについて、「男らしさ、女性蔑視、男性の被害者意識」に関する共通の信念で結び付いたオンラインコミュニティーの集合体と定義している。

マノスフィアは、男性が不利な立場に置かれ、「男らしさの危機」が生じている原因をフェミニズムに求めている。

報告書は、男性のメンタルヘルスや女性に対する暴力など、マノスフィアが健康に及ぼす影響を詳述している。

また、マノスフィアは、男性や少年が助けを求めることを「男らしくない」として否定的に捉えていると指摘している。

報告書の著者、サラ・J・ホークス氏は英BBCラジオ4に対し、「マノスフィアを単なる規制上の問題ではなく、公衆衛生上の問題として捉え直すことで、さまざまな追加的政策手段を活用できるようになり、公衆衛生の観点からの対策も可能になる」と述べた。

英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)の国際公衆衛生学教授であるホークス氏は、この危機に対して政府が連携して取り組むよう呼び掛け、技能習得や雇用の機会、メンタルヘルスサービスへのアクセスを改善する必要性を訴えた。

また、マノスフィアに関するメッセージの発信によって「多額の金を稼いでいる」人々がいると指摘。少年や男性に金融商品への投資を勧めたり、規制されていないサプリメントやホルモン剤を購入するよう促したりすることもあるという。

報告書の共著者で、マレーシアのモナシュ大学で保健政策学の教授を務めるケント・ビューズ氏は、マノスフィアが広がるオンラインプラットフォームでは、たばこ産業と似た手法が使われていると指摘。「個人に責任を押し付け、規制を自由への攻撃だと主張する」というものだ。

ビューズ氏は「少年や男性が問題なのではない」と強調。「問題は、彼らを孤立させ、安定した将来を見通せない状況に追い込む環境と、彼らの怒りや不安から利益を得ている企業だ」と述べた。(c)AFP