韓国の消防士、国家公務員化から6年も待遇に地域差…被服費は最大2.8倍
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【10月31日 KOREA WAVE】韓国で消防公務員が国家公務員に移行してから6年が過ぎたが、勤務する地域による待遇格差が依然として残っている。同じ国家公務員でも、被服費は地域によって最大2.8倍、教育費は10倍以上の差があった。消防職員は法定基準より9000人以上不足し、耐用年数を超えた防火服やヘルメットなどの個人用保護装備は2万4000点を超えた。
国会行政安全委員会のクォン・ヨンジン議員が消防庁や行政安全省などから提出を受けた資料で明らかになった。
背景には、消防予算の大部分を地方自治体が負担する財政構造がある。消防公務員全体の人件費は、国家公務員への移行時の約4兆ウォン(約4760億円)から2026年には6兆5000億ウォン(約7740億円)に増えたが、国からの人件費支援は年間5000億ウォン(約595億円)前後にとどまっている。
2027年の消防安全交付税は2897億ウォン(約345億円)減少する見通しだ。人件費の増加分と交付税による人件費支援の減少分を合わせると、地方が追加で確保すべき財源は約4900億ウォン(約583億円)に達する。消防車両や保護装備の更新など、必要な安全投資への影響が懸念される。
韓国政府は2020年4月、消防公務員5万2516人を国家公務員に移行した。待遇改善や人員・装備の地域間格差の解消、災害対応に対する国家責任の強化を主な目的として掲げていた。
しかし、2025年の消防公務員1人当たりの被服費は、釜山と済州がそれぞれ25万ウォン(約2万9800円)だったのに対し、蔚山は70万ウォン(約8万3300円)だった。外部への委託教育費も釜山は1人当たり4万1000ウォン(約4880円)、忠清北道は42万8000ウォン(約5万900円)と10.4倍の差があった。
現場活動に対する手当にも差がある。蔚山と世宗では現場の消防公務員全員に月20万ウォン(約2万3800円)の救助・救急活動費が支給された。一方、大邱では1758人が対象となり、119状況室の勤務者や給水車・特殊車両の担当者ら629人は対象から外れた。
人員の拡充も事実上停滞している。消防公務員の実員は2020年の5万6152人から2023年には6万4501人に増えたが、2024年の6万4773人から2025年は6万4775人へと、わずか2人の増加にとどまった。2025年の実員は法定基準の7万4162人を9387人下回った。
2025年時点で、耐用年数を超えた個人用保護装備は全国で2万4417点に上った。防火服は保有する12万8855着のうち1万9005着、約7着に1着が耐用年数を超えていた。防火ヘルメット4629個と空気呼吸器783セットも同様だった。勤務施設の老朽化も進む。2026年6月末時点で、全国の消防本部や消防署の庁舎302カ所のうち147カ所が築20年以上。築30年以上も74カ所あり、このうち13カ所は安全性評価でC等級を受けた。
精神面の課題もある。心的外傷後ストレス障害(PTSD)のリスクがある職員は2020年の2666人から2025年には3887人に増加。うつ病リスク群は2028人から3556人、自殺リスク群は2301人から2864人に増えた。出張相談の件数は2倍以上になった一方、相談・検査・診療費への支援予算は5億6000万ウォン(約6660万円)のままだった。
2026年の消防予算総額8兆5967億ウォン(約1.02兆円)のうち、国費は10.7%の9239億ウォン(約1100億円)にとどまり、残る89.3%を地方が負担した。地方負担の割合は2021年の85.1%から上昇している。
クォン・ヨンジン氏は、消防公務員の人件費に対する国の負担を法律に明記し、国家予算に人件費を追加計上するよう主張。老朽化した装備や車両の更新、消防施設の改善などに約4000億ウォン(約476億円)を優先支援する案も提案した。同議員は「国家が移行の成果を掲げながら、費用は地方に任せている現実は職務放棄だ」とし、安定した財源の確保と緊急の安全投資を進めるべきだと強調した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News