ソウル市内の携帯電話販売店に展示されたAIスマート眼鏡=2026年10月27日(c)news1
ソウル市内の携帯電話販売店に展示されたAIスマート眼鏡=2026年10月27日(c)news1

【10月31日 KOREA WAVE】韓国の2027年度大学修学能力試験(修能)で、人工知能(AI)を搭載したスマート眼鏡を使った不正行為への対応手順が初めて導入される。試験監督を務める教員の間では、不正の摘発を巡って受験生からの苦情や争いの対象になるのではないかと不安が広がっている。教育省は対応の準備が整っているとの立場だが、教員団体は専門人材の配置や監督教員を守る対策を求めている。

教育省は27日、韓国教員団体総連合会や全国教職員労働組合などと会合を開き、試験会場でのAIスマート眼鏡への対応と監督教員の保護策を協議した。教育省が最近作成した「2027年度大学修学能力試験・主な状況別の対応マニュアル」には、スマート眼鏡を着用している疑いのある受験生への確認手順が盛り込まれた。教育省は、マニュアルの策定など会場での対応準備はできているとしている。不正行為を巡り、監督官個人が責任を問われたり、訴訟を起こされたりした事例はないとも説明した。

一方、教員団体は、スマート眼鏡は見た目では普通の眼鏡と区別しにくく、確認の過程で受験生と監督教員の間にトラブルが生じる恐れがあるとして、追加対策が必要だと指摘している。全国教職員労組が21~27日に全国の中学・高校教員2716人を対象に実施した調査では、回答者の82.3%が、教育省の現在の監督手順ではスマート眼鏡の着用を識別するのは難しいと答えた。識別できるとの回答は3.5%にとどまった。

教員は、スマート眼鏡を見逃す場合だけでなく、普通の眼鏡を不正行為が疑われる機器と誤認した際の争いも懸念している。対応の中で最も心配なことを尋ねた質問では、「普通の眼鏡をスマート眼鏡と誤認した際に起こる苦情や争い」が64.4%で最多だった。「区別が難しく、疑わしい対象として指定することへの負担」が48.0%、「見つけられなかった場合、監督を怠ったとして責任を追及されること」が45.9%と続いた。

教員団体は会合で、スマート眼鏡の判別を監督教員個人の判断に任せるべきではないと強調した。全国教職員労組は、目視検査に頼る方法には限界があるとして、試験室への入室前に専門人材が疑わしい機器を確認し、最終判断する体制を求めた。別途人員を確保し、試験監督に支障が出ないようにする必要もあると訴えた。韓国教員団体総連合会も、専門人材の必要性を強調した。

全国教職員労組の調査では、教育省が最優先で整えるべき対策として「疑わしい機器を判別する専門人材・体制の構築」を選んだ回答が64.8%で最多。「具体的な識別基準や状況別の対応マニュアル」が53.4%、「機関としての苦情対応や法律支援」が49.9%と続いた。同労組は、識別基準や確認・引き継ぎ手順を具体的に定め、所定の手順に従った教員が苦情や法的紛争に巻き込まれた場合は、教育省が対応すべきだと主張した。

受験生への事前案内の強化も課題に挙げられた。スマート眼鏡の持ち込み・着用制限や、不正行為が発覚した場合の不利益を十分に知らせ、試験会場での不要な衝突を減らす必要があるという。

全国教職員労組は、監督手当や勤務条件の改善も要求した。調査では、監督手当を実態に見合う額にすることに97.6%が賛成。監督官1人当たりの担当を1日2時限以内に制限する案には94.6%が賛成した。

教育省は28日、別の教員団体である教員労働組合連盟とも会い、現場の意見を聞く予定だ。同連盟はAI眼鏡への対応人員の拡充や責任範囲の明確化、専門的な検査体制の整備などを求める方針だ。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News