「投資契約書を読むAI」登場…韓国・複雑な条項の把握と機密保護が課題
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【10月30日 KOREA WAVE】韓国で、ベンチャーキャピタル(VC)の投資契約書や投資審査委員会の議事録を読み込む人工知能(AI)が登場した。投資ファンドの台帳データと文書を結び付け、契約書の点検や報告書の草案作成を支援する。業務の効率化が期待される一方、複雑な投資構造の下で当事者ごとの権利や義務を正しく把握できるか、営業秘密を守れるかが課題となっている。
投資会社DSCインベストメントの子会社「トクトク」は10月19日、AI業務エージェント「DDworks」と統合投資管理サービス「IMworks」を発売した。DDworksは、業務管理システムに蓄積された投資やファンドの情報と、契約書・議事録を結び付け、情報検索や文書の確認、報告書の草案作成を支援する。IMworksは、ファンド運用会社のシステムと、機関投資家や投資先企業の管理サービスをつなぐ。
韓国のVC業界では共同運用ファンドの組成などが相次ぎ、複数の契約を合わせて確認する取引が増えている。当事者ごとの権限や権利を行使できる条件を整理する能力が、これまで以上に重要になっている。匿名化した共同運用契約書や複数の当事者が関わる株主間契約書を使い、一般向けのAIモデルの性能を点検した専門家によると、単純な条項の要約では90%以上の正確度を示した一方、文脈を踏まえて不利な条項を見つける能力には限界があった。例えば、契約書本文で投資家に平等な優先購入権を認めながら、別添の特約で特定の投資家にだけ優先的な権利を与えた場合、AIが情報を並べて要約するにとどまり、既存株主の権利が損なわれるリスクを警告できなかったケースがあったという。
トクトクは、ファンドの出資比率などの構造を投資台帳に登録し、AIが台帳と契約書を一緒に読み込む仕組みで対応する。回答には根拠となる条項の位置と原文を示し、担当者が確認できるようにした。契約条項は「変更が必要」「人による確認が必要」「問題なし」に分類し、AIが確信を持てない案件は人に引き継ぐ。以前の投資契約と追加投資の契約を比べ、条件の変更を確認する機能もあるという。
同社のカン・フンミン最高技術責任者は、不利な条項かどうかは投資戦略や取引の文脈によって異なるとして、「AIが自ら断定するにはまだ限界がある。最終判断は経験豊富な審査担当者に委ねる」と説明した。
もう一つの焦点は、営業秘密の取り扱いだ。投資先の企業価値の算定根拠や、各社の契約上のノウハウを含む情報が、外部のAIモデルにどのように送信され、保管や再学習に使われるかが問題となる。同社によると、運用会社ごとに専用環境を設けてデータを分離し、担当者のアクセス権限を管理する。ワンタイムパスワードによる認証を必須とし、外部AIへの送信時には実名などの機微情報を隠すこともできるという。
出資比率や投資額などの数値はデータベースで集計し、AIは文書の文脈に基づく検索や草案作成を担当する。業界では、まず資料の検索や照合といった管理業務で時間短縮につながると期待している。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News