スペイン高速列車衝突、死者69人に 安全性問う声再び
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【10月30日 AFP】スペインで29日、今年2度目となる高速列車の衝突事故で69人が死亡、多数が負傷したことを受け、説明を求める声が上がった。悲嘆に暮れる親族らは、必死に身内の安否情報を求めている。
事故は28日、首都マドリードの南にあるカスティーリャ・ラマンチャ自治州トレド県で発生。国営鉄道会社レンフェの列車が、スペインの民間鉄道会社イリョの停車中の列車に追突した。今世紀の欧州で最も多くの死者を出した鉄道事故の一つとなった。
マドリードの南約130キロに位置するトレド県ウルダ村郊外の事故現場では、捜索犬や熱感知カメラを搭載したドローンを使い、遺体の捜索が続いた。
地元当局によると、死者は29日、68人から69人に増えた。犠牲者には、保守派の主要政党・国民党(PP)のファティマ・バニェス元労働相も含まれていた。
きょうだいのペペさん(54)が行方不明になっているマヌエル・サン・エメテリオさんは、治安警察にDNA試料を提出するため、中部トレドを訪れた。
「分からないことが一番つらい。皆が同じ思いをしている」と話し、「でも、それに対抗できるものがあると思う。それは希望だ。決して失ってはいけない」と続けた。
28日の事故は、マドリードと南部セビリアを結ぶ主要路線で起きた。同路線では今年1月にも衝突事故が発生し、46人が死亡している。
今回の事故で、中国に次ぐ世界第2位の規模を持つスペインの高速鉄道網の安全性が改めて問われている。
オスカル・プエンテ運輸相は28日、記者団に対し、自動制御システムの技術的な不具合で69キロの区間の全列車が運行を停止していたにもかかわらず、列車が運転を再開し、その後衝突したと説明した。
プエンテ氏は「システムが復旧していない中で運行再開を決めるのは管制センターだ」と述べ、同センターが「われわれから見れば説明のつかない状況」で運行を再開させたと指摘した。
レンフェの列車は運転再開後に25キロ走行し、停車中のイリョの列車に衝突した。
運転士組合セマフのディエゴ・マルティン代表は、職員が「劣化したシステム」を使っているにもかかわらず、「責任者探しに関心が向けられているのは誤りだ」と指摘した。
レンフェの運転士らは29日、セマフが事故前から「鉄道の安全を守るため」に呼び掛けていたストライキを継続した。
レンフェによると、対象職員の26.6%がストに参加し、最低限の運行維持に「大きな影響」が出た。
最も混乱したのはマドリード一帯に広がる通勤鉄道網で、運行予定の列車の81%が運休した。
11月29日に総選挙を控えるペドロ・サンチェス首相は事故現場を訪れ、「この悲劇の詳細を余すところなく明らかにし、二度と起こらないよう安全対策を強化する」と約束した。
国王フェリペ6世もトレドで負傷者を見舞った後、再発防止策を求めた。(c)AFP