【11月1日 東方新報】中国の著名な作家・思想家、魯迅(ろじん、Lu Xun)の没後90年に当たる10月19日、浙江省(Zhejiang)紹興市(Shaoxing)にある魯迅の旧居近くに「魯迅文学版本館」が開館した。館内では1000冊以上の書籍や文献が常設展示され、国内外の観光客に公開されている。

魯迅は世界的に知られる中国近代文学の代表的な作家で、生涯に数多くの作品を残した。同館には、魯迅の全集や単行本、中国語・外国語の翻訳版など、さまざまな時代の出版物が収蔵・展示されている。

主な展示品には、1926年刊行の『彷徨』や1938年刊行の『魯迅全集』全20巻などがある。また、館内では魯迅の日記や書簡の手稿をまとめた貴重な資料も展示されている。

これらの資料は、魯迅関連の文献を収集してきた史星文(Shi Xingwen)氏が寄贈したものだ。

史氏は、50年以上にわたり収集・保管してきた魯迅の著作や文献を無償で寄贈した理由について、「これらの資料を魯迅の故郷に戻し、個人のコレクションから一般公開される展示品にすることが、最もふさわしい形だと考えた」と語った。

紹興魯迅記念館の裘士雄(Qiu Shixiong)元館長によると、館内には英語版の『吶喊』や日本語版の『朝花夕拾』など、多言語に翻訳された魯迅の著作も展示されている。

裘氏は、こうした翻訳書からも魯迅の作品や思想が海外で広く受け入れられてきたことがうかがえると指摘した。

また、魯迅文学版本館の開館は、魯迅の著作の出版・翻訳の歴史を体系的に整理し、研究者による魯迅研究を深めることにつながるほか、一般の人びとが魯迅の作品や思想に触れる新たな機会にもなると期待を示した。(c)東方新報/AFPBB News