韓国・療養病院で眠る患者を消火器で殺害…70代被告に懲役15年、遺族は病院対応を批判
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【10月29日 KOREA WAVE】韓国・慶尚北道浦項市の療養病院で、70代の男が眠っていた60代の患者を消火器で殴って死亡させた事件を巡り、遺族が病院側の初期対応に問題があったと訴えている。
JTBC「事件班長」は10月27日、父親が療養病院に入院してから1カ月もたたないうちに亡くなったという娘の証言を紹介した。娘によると、父親は軽度の認知症を患っていた。以前通っていた病院が閉院したため、7月に浦項市北区の療養病院へ移った。
事件が起きたのは8月2日午前11時ごろ。病室で眠っていた父親を、70代の男が長さ44センチ、重さ5キロの消火器で5~6回殴った。父親は近くの病院に搬送されて手術を受けたが、容体が重く、手術は途中で切り上げられた。集中治療室へ移された後、翌日に死亡した。
娘は父親がけがをしたとの連絡で病院に駆け付けたものの、当初は詳しい経緯を知らされなかったと主張する。「どういうけがで手術まで必要なのかと尋ねても、何も答えてくれなかった。母に警察から電話が来て、初めて消火器で殴られたと知った」と語った。集中治療室で父親を見た時には、その場に崩れ落ちたという。「あまりに痛ましく、私の知っている父の姿ではありませんでした」と振り返った。遺族によると、療養病院は最初の連絡で、父親が別の患者と口論になり、転倒してけがをしたという趣旨の説明をしていた。
娘は起訴状の内容について、被告は体格の大きい父親に脅威を感じ、「自分が殺されるかもしれないと思い、先に殺した」という趣旨の供述をしたと明かした。被告は公判で、長期入院していたことなどに言及し、殺意はなかったと主張したとされる。しかし裁判所は、消火器で頭部を繰り返し殴った行為には殺意が認められると判断。犯行の経緯や当時の状況を具体的に記憶していることなどから、精神障害に関する主張も退け、殺人罪で懲役15年を言い渡した。被告は控訴した。検察側も、量刑が軽いとして控訴する予定だという。
遺族は、病院の管理体制や救急対応にも問題があったと訴える。事件当時、その階には看護師ら医療従事者がおらず、父親が血を流した状態で発見されてから救急車で搬送されるまで約30分かかったという。病院の対応が不十分だったため適切な治療の機会を逃したとして、遺族は損害賠償を請求している。
一方、病院側は、事件を把握した直後に患者の状態を確認し、必要な応急処置をしたと反論。当直医の判断で救急医療機関への転院を決め、搬送時には救急救命士と看護師が付き添ったと説明した。院内報告と警察への通報を済ませ、捜査にも協力しているとしている。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News