韓国法務省の庁舎(c)news1
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【10月29日 KOREA WAVE】韓国政府が、米投資ファンドのエリオットとの投資家対国家の紛争解決手続き(ISDS)で、差し戻し後の仲裁判断の取り消しを求める訴訟を起こさないと決めた。エリオット側が不服を申し立てなければ、韓国政府の敗訴が確定する。政府が負担する賠償額は約1530億ウォン(約180億円)に上るとみられる。ただし、賠償金の総額や支払い方法などはまだ確定していない。

韓国法務省は10月28日、英国の裁判所に仲裁判断の取り消し訴訟を起こさない方針を明らかにした。関係省庁や政府代理人の法律事務所、外部専門家の意見を集め、仲裁判断の内容を分析した結果だと説明した。

紛争の発端は、2015年のサムスン物産と第一毛織の合併だった。サムスン物産の株主だったエリオットは反対したが、同社株を保有する国民年金公団が賛成し、合併案は承認された。エリオットは、青瓦台や保健福祉省などが国民年金公団の議決権行使に不当に介入し、損害を受けたとして、2018年に韓国政府を相手取って国際仲裁を申し立てた。

仲裁廷は2023年6月、エリオット側の請求を一部認め、韓国政府に約4849万ドル(約76億5000万円)の元本と遅延利息などの支払いを命じた。

政府は同年7月、英国の裁判所に仲裁判断の取り消しを求めて提訴した。2024年8月に訴えは却下されたが、控訴は認められた。政府は同年9月に控訴し、英国の控訴裁判所は2025年7月、政府側の主張を認めた。2026年2月には差し戻し審の裁判所も政府側の請求を認め、事件は元の仲裁廷に戻された。

差し戻し後の仲裁手続きは3月18日に始まったが、仲裁廷は9月30日、韓国政府の賠償責任を改めて認定した。仲裁廷は政府の措置とエリオット側の損害との因果関係を認め、元本約4849万ドルと遅延利息などを合わせ、約1530億ウォンを支払うよう命じた。

法務省関係者は「今後も国益を最優先に、徹底して対応する」と述べた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News