国民生命安全委員会の会議で発言するイ・ジェミョン(李在明)大統領(c)news1
国民生命安全委員会の会議で発言するイ・ジェミョン(李在明)大統領(c)news1

【10月29日 KOREA WAVE】韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領による外国人労働者に関する発言に、進歩系勢力から強い反発が広がっている。青瓦台(大統領府)は、発言の前後の文脈を切り離して外国人嫌悪の問題に結び付けるのは適切ではないとして、火消しに乗り出した。

イ・ジェミョン氏は10月27日の国務会議(閣議)で、農畜産業の人手不足に言及。「働く人が不足し続けているということだが、外国人労働者を呼んできても国家経済に大きく役立つわけではない。全て自国に送金してしまうからだ」と述べ、韓国人労働者を雇用した際に政府が人件費を支援する事業を提案した。この発言が移住労働者をおとしめるものだとして、批判を招いた。

リュ・ドクヒョン青瓦台財政企画補佐官は28日、Xに「外国人労働者も大切です。韓国国民にも農業の仕事への門戸を広げるべきだ」と題する文章を投稿した。リュ・ドクヒョン氏は、一部の表現への懸念には留意すべき点があるとしつつ、「前後の文脈を切り取り、外国人嫌悪の議論につなげるのは適切ではない」と主張した。また「人手不足を補い、韓国の農漁業を支えてきた外国人労働者の貢献は明らかだ。その苦労に感謝し、正当な待遇と権利も保障しなければならない」と強調。農業は食料安全保障と地域の持続可能性を担う国家の戦略産業であり、現場の相当部分が外国人労働力に依存しているとした。

一方、韓国人向けの人材仲介や交通・宿泊費の支援事業は既にあるものの、農業を魅力ある就業先にするには不十分だと説明。季節による仕事量の変動、重い労働負担、住居や交通の不便、技能習得や収入の不安定さを併せて解決する必要があるとした。その上で、外国人労働者の貢献を尊重しながら韓国人の農業就業も増やし、互いに補完する方向へ人材政策を転換すべきだと述べた。

イ・ジェミョン氏自身も28日、「韓国人労働者との比較で、役には立つが『大きく』役立つわけではないという表現だった」と説明。「役に立たない」と発言したことを前提に批判するのは行き過ぎだとして、報道に異議を唱えた。

しかし、この説明にも批判が相次いだ。祖国革新党は論評で「深い怒りと痛ましさを禁じ得ない」と表明。「韓国の労働現場の厳しい現実を一度でもきちんと見ていれば、決して出てこない無知と偏見にとらわれた暴言だ」と批判した。同党は、製造業、建設現場、造船所、基盤産業、ケアの現場に至るまで、移住労働者なしでは産業は成り立たないと指摘。「経済を根底から黙々と支える不可欠な労働者」であるにもかかわらず、大統領が負担となる存在のように扱い、分断に率先していると非難した。

正義党も「移住労働者をおとしめておきながら、メディアに八つ当たりするな」と反発。韓国人との経済貢献度の比較だったという説明にも、移住労働者の仕事を軽んじる認識が残っていると指摘した。さらに、農業や工場、ケアの仕事に頼りながら、家族に生活費を送ることを理由に貢献を低く評価する大統領の認識は極めて残念だとした。

進歩党も「明らかに不適切で、移住労働者への嫌悪発言でもある」と批判。各界からの正当な問題提起に向き合わず、狭量な反論と釈明を返していると非難した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News