ソウル・江南の九龍村で火災、107人が避難生活…「寝間着のまま、何も持ち出せず」
このニュースをシェア
【10月29日 KOREA WAVE】ソウル市江南区の「最後のバラック街」と呼ばれる九龍村で10月27日午後3時50分ごろに発生した火災は、一晩燃え続け、約12時間49分後に完全に消し止められた。焼け跡にはすすが残り、住民のため息が漏れた。今回の火災では、第1~3地区の77世帯107人が被災した。30代の女性1人が脚に軽傷を負って病院に搬送されたが、ほかに死傷者や行方不明者は確認されていない。
鎮火しても、住まいを失って避難所に身を寄せる住民たちの悲しみは深い。28日のソウルの朝の最低気温は3.8度と予想されていた。前日より急に冷え込み、九龍村には身を切るような冷たい風が吹いていた。
ソウル市江南区の開浦中学校体育館の避難所では28日午前7時20分ごろ、前夜午後11時ごろに到着した40代の男性住民が「昨夜は慌てて逃げたので、何も持ってこられませんでした。寒いのに行く当てもなく、途方に暮れています」と語った。男性は「夜に出てきたので、荷物もほとんど持てず、寝間着のままです。救援セットに下着と運動着が入っていたので、着替えようと思います」と話した。男性は、最初に出火した第2地区に住んでいた。家事をしていたところ、隣人からの連絡で火災を知ったという。「家がどうなったのかも、まだ分かりません。昨夜は寒さに震えて、膝まで冷え切ってしまいました」と語った。
体育館前には衣類や生活必需品を詰めた救援セットの箱が積まれ、簡易テーブルには給湯器やカップ麺、飲料水などが並んでいた。仮の住まいとなるテントは、大人2~3人が横になるといっぱいになる広さだ。被災者たちは体育館の床に薄い敷物を敷き、救援物資を頼りに過ごしていた。
九龍村に30年間暮らしてきた82歳の男性住民は「2年前も、2026年1月も火事があったのに、またです。前の火事で家を失い、テントを張って暮らしていたのに、どうやって生きていけばいいのか……」と言葉を詰まらせた。九龍村では1月16日にも第4地区で火災が発生し、住民258人が避難している。82歳の男性は「ここにどれくらいいなければならないのかも分かりません。いつまでいられるのか尋ねましたが、関係者も正確には分からないそうです」と話した。
開浦中学校の避難所に設置されたテント28張りは、全て埋まっていた。区役所などの職員はテントを回り、1食9000ウォン(約1060円)の朝食支援について案内していた。テントから出てきた高齢の被災者は「温かいお湯を、もう少しもらえませんか」と尋ねながら、重い足取りで歩いていた。近くの九龍中学校体育館にもテント28張りが設けられ、このうち7張りが使われているという。江南区は火災当日、両校に避難所を開設した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News