【10月29日 AFP】イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領は28日、接戦となった総選挙で明確な勝者が出なかったことを受け、再選挙の回避に期待を表明した。ベンヤミン・ネタニヤフ首相と野党が打開策を模索する中、アラブ系政党がキャスティングボートを握る可能性がある。

27日の総選挙は、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区や中東各地で戦争を展開するきっかけとなった2023年10月7日の攻撃以降、初めて実施された。開票率85%超の時点で、ネタニヤフ氏率いる右派陣営がわずかにリードしているが、過半数には届いていない。

イスラエル史上最長の在任期間を誇り、極右政党やユダヤ教超正統派政党と連携するネタニヤフ氏と、幅広い野党陣営を率いる軍元参謀総長ガディ・アイゼンコット氏は、それぞれ次期政権の樹立を目指すと表明した。

だが、国会の定数120議席のうち、ネタニヤフ氏の陣営は53議席、アイゼンコット氏の野党陣営は48議席を獲得すると予測されており、いずれも過半数の61議席には届かない見通しだ。

最終結果は変わる可能性があるが、明確に議席を伸ばしたのはアラブ系政党で、計19議席に増える見通しだ。

組閣を要請する候補者を決めるヘルツォグ大統領は、「とりわけ昨日の結果を受け、再選挙を避けるためにできることはすべてしなければならない」と述べ、各党に柔軟な姿勢で臨むよう促した。

アラブ系が主体の左派選挙連合「共同リスト」を率いるユセフ・ジャバリーン氏は、国民は新たな指導部を求めて投票したと述べた。

その後AFPに対し、ネタニヤフ氏を退陣させるために野党主導の政権と協力する用意はあるものの、連立政権に直接加わる考えはないと説明した。

ジャバリーン氏は「現在の政治状況、特にガザで続く戦争やヨルダン川西岸の入植地問題などを踏まえると、イスラエルの連立政権に参加する可能性は見いだせない」と述べた。

アラブ系議員が案件ごとに支持することで、アイゼンコット氏が少数与党政権を維持できる可能性はあるが、こうした体制が長続きするとみる識者は少ない。

アイゼンコット氏と同氏に協力する勢力の大半は、アラブ系議員との連携を拒んでいる。(c)AFP/Stuart White, Shaun Tandon and Alice Chancellor