【10月29日 AFP】スペインの首都マドリード南方で28日に起きた高速列車同士の衝突事故で、死者は68人に増えた。負傷者も多数に上っている。当局が発表した。今世紀の欧州で最も多くの死者を出した鉄道事故の一つとなった。

スペインで今年2度目となる高速列車の衝突事故を受け、同国の鉄道の安全性に改めて疑問が投げ掛けられそうだ。運輸相は事故につながった「ミス」と「説明のつかない状況」に言及した。

中部カスティーリャ・ラマンチャ自治州トレド県ウルダの現場では、AFP記者が、一方の列車がもう一方にめり込み、がれきが散乱する土手の下で複数の車両が横倒しになっているのを確認した。

夜になっても緊急車両が絶えず行き交い、救助隊は寒さの中、ドローンや照明、クレーンを使ってひしゃげた金属をつり上げ、他に犠牲者がいないか捜索を続けた。

同自治州のエミリアーノ・ガルシアパヘ首相は現場で記者団に対し、「車両を動かした際に、別の遺体が見つかるかどうかは分からない」と述べた。

州政府の女性報道官はAFPに対し、100人超が負傷し、うち15人が重体だと述べた。

国営鉄道会社レンフェは声明で、同社の列車とスペインの民間鉄道会社イリョの列車が事故を起こしたため、マドリードとスペイン南部を結ぶ主要高速鉄道路線の運行を停止したと発表した。

オスカル・プエンテ運輸相は記者団に対し、自動制御システムの技術的な不具合で69キロの区間の全列車が運行を停止していたにもかかわらず、列車が運転を再開し、その後衝突したと説明した。

プエンテ氏は「システムが復旧していない中で運行再開を決めるのは管制センターだ」と述べ、同センターが「われわれから見れば説明のつかない状況」で運行を再開させたと指摘した。

レンフェの列車は運転再開後に25キロ走行し、停車中のイリョの列車に衝突した。プエンテ氏によると、衝突時の速度は「最高で時速200キロに達していた可能性がある」という。

同氏は、管制センターには「ミスを確認する時間が十分すぎるほどあったのに、是正しなかった」と述べた。

スペインの高速鉄道網には近年、多額の投資が行われ、中国に次ぐ世界第2位の規模に成長し、国の誇りとなっている。

公式統計によると、今年1~8月の利用者数は約2600万人に上った。

しかし、今年1月にも南部アダムス村郊外で高速列車2本が衝突し、46人が死亡。同国の鉄道の安全性に大きな疑問が投げ掛けられていた。(c)AFP