旅行客でにぎわうソウル市中区の明洞の街並み=2026年10月22日(c)news1
旅行客でにぎわうソウル市中区の明洞の街並み=2026年10月22日(c)news1

【10月29日 KOREA WAVE】韓国を2026年1月から10月までに訪れた外国人観光客が1800万人を超えた一方、宿泊業界が実感する恩恵は地域や業態によって大きく異なることが分かった。ソウルや釜山など主要な玄関口の都市では、ホテルが外国人需要の増加を背景に客室価格を引き上げ、業績を改善した。一方、地方やモーテルなどでは、外国人客増加の効果を実感できていない。

旅行・観光産業の研究機関「ヤノルジャリサーチ」が28日に発表した「2026年7~9月期の韓国宿泊業動向報告書」によると、国内宿泊市場では全ての業態で販売可能な客室1室当たりの売上高が前年同期を上回った。ただ、業績改善を支えたのは客室稼働率よりも価格の上昇だった。ホテル・リゾート全体の平均客室単価は前年同期比9.0%上昇したが、客室稼働率の伸びは1.0%にとどまった。

業態別ではリゾートの成長が最も大きかった。平均客室単価が17.1%、稼働率が6.9%上昇し、販売可能な客室1室当たりの売上高は25.2%増加した。続いて5つ星ホテルが14.7%、1・2つ星ホテルが13.2%、民泊が12.2%、4つ星ホテルが11.2%増えた。特に4つ星ホテルは、稼働率が1.8%下がったにもかかわらず、客室単価を13.2%引き上げたことで、1室当たりの売上高を11.2%伸ばした。

地域差も大きい。釜山の1・2つ星ホテルは客室単価が42.1%、稼働率が10.9%上昇し、1室当たりの売上高は57.6%増えた。江原道のモーテルも40.5%増加した一方、全羅地域の3つ星ホテルは単価と稼働率がともに下がり、売上高は9.5%減少した。

前の四半期と比べると、夏休みの需要によってペンションの売上高は45.8%、リゾートは37.4%増えた。ただ、ペンションの前年同期比の伸びは5.5%にとどまり、季節的な繁忙期の効果にとどまったと分析された。

閑散期に入る10~12月期の見通しも分かれた。客室稼働率の見通し指数はホテルが97.5、モーテルが96.8で、いずれも基準値の100を下回った。ホテルは稼働率が下がっても価格を維持・引き上げられるとみた一方、モーテルは価格と稼働率の両方が下がることを懸念した。

2026年1~9月に韓国を訪れた外国人観光客は累計1711万人で、前年同期より21.5%増加した。しかし、宿泊事業者への調査で外国人需要の増加を実感した割合は、ホテルが43.8%だったのに対し、モーテルは23.1%にとどまった。外国人が宿泊した施設の割合も、ホテルは96.0%だったが、モーテルは69.4%。モーテルの約3割には外国人客がいなかった。

地域別では、需要増を実感した割合は釜山でホテル81.3%、モーテル68.0%、ソウルではそれぞれ63.2%、70.8%と高かった。一方、全羅地域はホテル18.2%、モーテル4.8%、慶尚北道・大邱はそれぞれ16.7%、14.1%、江原道は18.2%、12.5%だった。

需要増を実感できない理由としては「地域に外国人がいない」が最も多く、ホテルの52.0%、モーテルの66.4%を占めた。価格を引き上げた施設はホテルの51.0%に上ったが、モーテルでは19.0%にとどまり、17.4%は値下げを余儀なくされた。

業界からは、施設ごとの改修支援よりも、地方に観光客を呼び込む政策を求める声が上がった。「交通と観光コンテンツの連携強化」や「地域単位の観光PR」が急務だという。ヤノルジャリサーチのチャン・スチョン院長は「7~9月期の宿泊業の成長は稼働率ではなく客室単価が主導した。閑散期には価格を維持する力によって施設間の格差がさらに広がり得る」と指摘。訪韓客増加の恩恵を宿泊市場全体に広げるには、「玄関口となる都市と地方を結ぶ移動手段や、地域に特化した観光コンテンツを早急に強化すべきだ」と強調した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News