登校時間帯に飲酒運転を取り締まる松坡警察署の警察官(c)NEWSIS/MONEYTODAY
登校時間帯に飲酒運転を取り締まる松坡警察署の警察官(c)NEWSIS/MONEYTODAY

【10月29日 KOREA WAVE】韓国では毎年1500人以上の警察官が、勤務中にけがをしたり、病気になったりしている。政府は法令に基づき治療費やリハビリ費用を支給しているが、十分な支援を受けられないケースもあり、支援体制の再点検を求める声が出ている。

警察によると、2021~2025年に公務災害で負傷・発病した警察官は計7964人。年平均1593人で、1日4人以上に当たる。2025年の原因別では、業務中の事故が814人、犯人からの襲撃が472人、交通事故が340人、疾病が33人だった。重傷を負う事例もある。10月24日には京畿道驪州市の嶺東高速道路で、事故防止措置を取っていた高速道路巡察隊の警察官が6.5トントラックにはねられ、足首を切断する重傷を負ったとされる。

勤務中の負傷が公務災害と認定されれば、公務員災害補償法に基づく経済的支援を受けられる。人事革新処は一部の保険適用外項目を除く治療費を支給し、障害が残ると見込まれる場合はリハビリ運動費なども支援する。退職後に障害が残れば、等級に応じた障害給付も受けられる。警察庁も独自予算で、療養期間中に1日約2万4000ウォン(約2840円)の危険職務特別慰労金を支給する。本人に加え、家族や同僚への心理相談、精神科診療なども支援している。

問題は、公務災害と認められない場合や、療養期間の延長を拒否された場合だ。警察官本人が、業務と負傷・疾病との因果関係を立証する負担を負う。特に過労や業務上のストレスによる精神疾患は、業務との関連を証明するのに時間がかかるという。人事革新処によると、警察官の公務災害認定率は2020年の90.6%から、2024年には82.6%に低下した。

療養延長を巡る問題も起きている。慶尚南道の陜川警察署に所属する警察官は、交通事故の現場対応中に二次事故に遭い、重傷を負った。8月の復職を前に療養期間の延長を2回申請したが、いずれも認められず、その後、自ら命を絶った。遺族は、歩行も難しいほどの後遺症があり、追加のリハビリが必要だったと訴えている。

専門家は、認定の再審査や療養延長の手続きで、本人に負担が集中し過ぎていると指摘する。労務法人「春の日」のパク・ジョンテ労務士は「再審査や療養延長を申請する際、公務員本人が対応しなければならない構造だ」と説明。過労で死亡した場合は遺族や同僚に説明の機会がある一方、過労で倒れて重篤な状態でも、公務上の療養手続きでは同様の機会が認められないと指摘した。「警察官の心身が健康でなければ、市民の不便や不安に直結する」として、審査を担う人事革新処が現場の声を十分に聞き、判断に反映する必要があると強調した。

警察は、関係機関と連携して認定や負傷者支援を強める方針だ。キム・ジョンチョル警察庁長官職務代行は、高速道路で負傷した警察官について、治療やリハビリ、日常生活への復帰を支えるとともに、家族や同僚にも心理相談などのきめ細かな支援を提供するよう指示した。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News