ソウル市東大門区の踏十里古美術商街にある店舗の内部=東大門区提供(c)news1
ソウル市東大門区の踏十里古美術商街にある店舗の内部=東大門区提供(c)news1

【10月28日 KOREA WAVE】ソウル市東大門区の踏十里(タプシムニ)古美術商街に、日本人観光客や若者が訪れている。商店関係者によると、SNSなどの口コミで外国人観光客や若い客が増えた。一方、建物の老朽化や建て替えへの対応が課題となっている。

1982年に建てられたマンションの地下商店街に約330平方メートルの展示空間を設けた「トゥソンギャラリー」のキム・ヤンス代表(76)は「古い物には、時間が積み重なっていきます。それが古美術の魅力です」と語った。

大学時代に古美術の世界に入り、50年以上にわたって作品を扱ってきた。19歳で古美術商が集まっていた清渓川8街の黄鶴洞に最初の店を開き、その後は海外にも活動を広げた。2022年にはソウルの徳寿宮通りでギャラリーを再開し、やがて踏十里へ戻った。「最後の故郷へ帰るような思いで選んだ場所が、この古美術商街でした」

現在の展示場は、約16.5平方メートルの店舗20区画余りの壁を取り払って造った。古美術市場の低迷で倉庫として使われていた空間だ。キム・ヤンス氏は「本来、私たちにとって中心的な文化だったものが、いつの間にかサブカルチャーになってしまった。再び主流の文化の一つになってほしい」と願う。

近くの別の商店街では、廊下の両側に骨董品や古美術品を扱う店が20軒余り並ぶ。レコードプレーヤーを置く電器店から、朝鮮王朝時代の木工・漆工芸品、初期の白磁、王朝末期の装飾品を扱う店まで、多彩な品ぞろえだ。民俗品店の前では、外国人観光客が興味深そうに品物を選んでいた。店の関係者によると、日本人観光客に人気なのは朝鮮王朝末期の真鍮製の匙だという。「インスタグラムなどで口コミが広がり、日本や欧州からの観光客がかなり増えました。最近は若いお客さんも多くなっています」

ただ、来訪者が増えても古美術品の価格は上がりにくい。韓国古美術協会の関係者は、国外への持ち出しができないことが価格上昇を妨げていると説明した。商店街では朝鮮王朝初期の白磁や三国時代の土器なども販売されている。

建物の老朽化と建て替えも課題だ。チェ・ドンミン東大門区長によると、マンションは建て替え要件を満たすものの、地下商店街の権利を相当部分保有するイーランドの同意が得られず、事業が進んでいない。区の関係者は、工事期間中の移転先や建て替え後の建物との調和、新設洞の風物市場との連携などを検討しており、調査研究も実施したと説明した。

東大門区は、この商店街と踏十里映画メディアアートセンター、建設予定のソウル市立図書館(東大門)を結ぶ「東大門複合文化ベルト」の整備を目指している。主要拠点となる図書館は、学校用地として計画された後、長く空き地だった典農洞の敷地に建設する。6月に設計を終え、8月の工事入札公告を経て施工業者の選定が進んでいる。区は2026年中の着工に向け、ソウル市と協議を続けている。

2030年の完成を目標に、地下2階・地上2階、延べ床面積2万5531平方メートルのソウル最大規模の公共図書館となる予定だ。土地代を除く事業費は全額、市が負担する。館内には資料閲覧スペースや市民大学、子ども向けの「ソウル型キッズカフェ」を整備する。住民が利用してきた花畑や散策路を生かした屋上庭園も設ける。チェ・ドンミン氏は「住民が長く待ち望んだ事業だ」として、施工業者の選定や残る手続きを急ぎ、年内着工を予定通り進めるよう求めた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News