北朝鮮・金正恩総書記の電撃訪中、米朝対話へ事前調整の可能性…韓国研究機関が分析
このニュースをシェア
【10月28日 KOREA WAVE】北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記による中国・丹東への電撃訪問を受け、米朝対話が再開される可能性が継続的に取り沙汰されている。中国の北朝鮮に対する外交的支援が強まり、北朝鮮も自信を得ることで、米国との対話に向けた環境が整う可能性があるという見方だ。特に、中国の習近平国家主席が北朝鮮と米国の間で「仲介役」を担う可能性があるとの分析を、韓国の政府系研究機関が示した。
韓国統一研究院のチョン・ウニ北朝鮮研究室長は26日に発表した「キム総書記の丹東訪問の評価と米朝首脳会談の展望」と題する報告書で、各国の主要メディアや専門家の分析を総合した結果、今回の訪中には米朝首脳会談に向けた事前調整の性格があると分析した。
キム総書記の丹東訪問に関連し、中朝両国は韓国や米国に直接言及していない。ただ、双方の外交担当幹部が総出で参加したことを踏まえると、米朝対話を念頭に事前調整があった可能性は十分にあるという。チョン・ウニ氏は、北朝鮮側からチェ・ソニ(崔善姫)外相と、対外業務を統括するキム・ヨジョン(金与正)党総務部長が同行し、中国側から王滬寧・中国人民政治協商会議全国委員会主席、劉海星・党中央対外連絡部長、王毅外相、馬朝旭外務次官が参加した点に注目。「習主席が米朝対話を仲介する可能性を注目させる」と分析した。
韓国政府内でも同様の見方が出ている。チョ・ヒョン(趙顕)外相は27日、国会外交統一委員会の国政監査で、中朝が米朝対話について協議した可能性はあるかと問われ、「可能性はあると思う」と答えた。チョン・ドンヨン(鄭東泳)統一相も、キム総書記の丹東訪問は「経済行事だけとは見がたい。双方の外交担当幹部が総出で参加したことが特徴だ」と強調した。
中国・深圳で11月18日に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を機に、習主席が米朝間の仲介役を積極的に担う可能性も指摘されている。チョン・ウニ氏は、習主席が2027年秋の中国共産党第21回全国代表大会で4期目を目指しているとし、米朝対話の仲介によって国内政治上の立場を強め、朝鮮半島情勢の安定に貢献したという外交成果を、4期目に向けた「資産」として活用する可能性があるとの見方を紹介した。
ただし、チョン・ウニ氏は米朝首脳会談が実際に実現するかどうかについては慎重な見方を示した。「トランプ大統領は最近慎重な姿勢を見せており、北朝鮮にも目立った反応はない。会談が進められても、場所や形式、議題の選定は容易ではない」と指摘した。習主席の仲介についても、北朝鮮は中国を通じて米国と会談すれば、中国の対北朝鮮影響力が必要以上に大きくなると判断し、負担を感じる可能性があると分析。中朝間の調整にも困難があり得るとした。
さらに、米朝の直接交渉でも、中国主導の仲介でも、韓国の立場や外交・安全保障上の活動の余地が狭まる問題が生じると指摘。韓国政府は米朝対話の過程で「韓国抜き」を防ぐための方策を探るべきだと訴えた。チョン・ウニ氏は「習主席が仲介し、トランプ大統領が『ピースメーカー』になったとしても、朝鮮半島の平和的共存において韓国政府は主導者の地位を維持し、『ペースメーカー』として事前協議や交渉、事後の実行過程に積極的に参加しなければならない」とし、米中双方との意思疎通を同時に進める必要があると強調した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News