【10月28日 AFP】英国で、当時の妻に13年間にわたって薬物を投与し、意識を失わせてレイプしていた男が、クラシファイド広告サイト「クレイグスリスト」や出会い系アプリ「グラインダー」などで見知らぬ男たちを募り、妻に性的暴行を加えさせていたとする検察側の主張が、27日の公判で示された。

フィリップ・ヤング被告(50)は今年、元妻ジョアン・ヤングさんに対するレイプ、盗撮、意識をもうろうとさせたり抵抗できなくしたりする目的での薬物投与など、複数の性犯罪について有罪を認めている。ジョアンさんは匿名で扱われる権利を放棄している。

現在、英国南部の裁判所では、32~62歳の男4人が、フィリップ被告と共にジョアンさんに対する性犯罪を行ったとして裁判を受けている。4人はいずれも起訴内容を否認している。

うち2人はレイプ罪に、残る2人は性的暴行罪に問われている。

事件は2016~2023年に起きたとされる。

サラ・ジョーンズ検事はウィンチェスター刑事法院で、「フィリップ被告はクレイグスリストやグラインダー、パートナー交換を目的とする人向けのウェブサイトに妻を掲載し、見知らぬ男たちを招いて妻と性行為をさせようとしていた」と述べた。

ジョーンズ検事によると、フィリップ被告はこれを夫婦の性的な「嗜好」として持ちかけ、ジョアンさんは「応募してきた人が何をしても気付かず、あるいは覚えていられない状態」にあると示唆していたという。

法廷では、フィリップ被告が2015年以降、ジョアンさんを「深い眠りに陥らせ、意識が混乱して周囲の状況が分からず、何が起きたか思い出せなくなる」状態にする薬物を探していたことも明らかになった。

ジョーンズ検事によると、フィリップ被告が露骨な性的画像をインターネット上に投稿したことで事件が発覚した。

その後、警察がフィリップ被告の自宅や電子機器を捜索したところ、ジョアンさんがベッドに拘束され、「他の男たちから性的行為をされている」場面を撮影した動画が見つかった。動画には現在裁判を受けている被告4人のうち3人が映っていたという。

■「明らかに眠っていた」

4人の一人、リチャード・ウィルキンス被告(62)は、「同意できない状態」にあるジョアンさんをレイプした罪に問われている。

ジョーンズ検事によると、事件が起きたとされる2016年の夜に撮影された動画には、ジョアンさんが「ベッドに縛り付けられ」、いびきをかいている場面が映っていた。

ジョーンズ検事は「彼女は明らかに眠っていた」と述べた。

同検事はまた、同じくジョアンさんをレイプした罪に問われているノーマン・マクソニ被告(48)に関して、ジョアンさんの反応は「薬物を投与された人に見られるものと全く同じ」だったと説明した。

フィリップ被告は、ジョアンさんが眠気に襲われたり意識がもうろうとしたりしている間、寝室で男たちに指示を出し、行為を取り仕切っていたとみられるという。

ジョーンズ検事は、4人の被告がフィリップ被告による鎮静剤の投与を目撃していなかったとしても、「その効果は明らかに見て取れたはずだ」と述べた。

報道によると、保守党の元地方議員であるフィリップ被告は今年1月、レイプ11件、意識をもうろうとさせる目的での薬物投与11件など、計48件の罪について有罪を認めた。

この事件に関与した6人目の被告、ディーン・ハミルトン被告(47)も、レイプ罪と性的暴行罪についてすでに有罪を認めている。

フィリップ被告とハミルトン被告への量刑は、現在の公判が終了した後に言い渡される予定だ。(c)AFP