サムスン電機が供給するサーバー向けFC-BGA基板=同社提供(c)news1
サムスン電機が供給するサーバー向けFC-BGA基板=同社提供(c)news1

【10月27日 KOREA WAVE】韓国の電子部品メーカー、サムスン電機とLGイノテックの2026年7~9月期の業績見通しに差が出ている。人工知能(AI)サーバー向け部品の比重が大きいサムスン電機は、AI需要の拡大を追い風に、営業利益が前年同期の2倍以上になると予想されている。一方、スマートフォンのカメラモジュールへの依存度が高いLGイノテックは、新型スマートフォンの発売効果で売上高は伸びるものの、対ドルでのウォン高に伴う原価負担が響き、営業利益は小幅に減少する見通しだ。

金融情報会社エフアンドガイドによると、サムスン電機の7~9月期の売上高について、証券会社の予想平均は3兆8264億ウォン(約4540億円)で、前年同期比32.4%増。営業利益は2603億ウォン(約309億円)から6453億ウォン(約766億円)へ147.9%増えると推定される。

業績をけん引するのは、AIサーバー向けの高付加価値の積層セラミックコンデンサー(MLCC)と半導体パッケージ基板だ。MLCCは電気を蓄えて必要な場所に供給し、電子回路の電圧を安定させる部品。AI向け半導体の演算性能が高まり、消費電力が増えるにつれて、安定した電力供給に必要なMLCCの搭載量も増えている。AIサーバーには大容量で信頼性の高い製品が求められる。業界では、サムスン電機が高付加価値のサーバー向けMLCCの販売を増やし、製品構成を改善することで収益性を高めていると分析する。

高性能半導体を接続するパッケージ基板の需要増も成長を支えている。AI向け半導体やサーバー用CPUの性能向上に伴い、チップを搭載するFC-BGA基板は大型化し、回路の層数も増える傾向にある。製造の難度が高まるため、高い仕様の製品を供給できる企業に需要が集まるという。

中長期的には、米エヌビディアの供給網拡大も成長機会とみられている。同社は最近、自社製品向けパッケージ基板の生産能力を今後3年間で2.5倍に拡大する計画を発表し、サムスン電機を主要な供給協力会社として挙げた。サムスン電機は既存の生産ラインからの供給を増やす一方、新たな生産設備にも投資し、AI半導体向け基板事業を強化すると見込まれる。

一方、LGイノテックの7~9月期の売上高予想平均は6兆970億ウォン(約7230億円)で、前年同期比13.6%増。営業利益は2037億ウォン(約242億円)から1973億ウォン(約234億円)へ3.1%減る見通しだ。

北米の主要顧客による新型スマートフォンの発売で売上高は伸びるが、収益性はやや低下すると予想される。同社はウォン安だった上半期に原材料を購入し、新製品の生産を準備した。その後、7~9月期にウォン高が進んだことで、ドルで受け取る納品代金のウォン換算額は減少したが、先に高く購入した原材料の費用は残った。カメラモジュールの販売が増えても、原価に比べて利益が出にくい構造になったという。

ただ、10~12月期からは、ウォン高の時期に購入した原材料が生産に投入され、費用負担が軽くなる可能性がある。新型スマートフォンの販売好調が続けば、カメラモジュール事業の収益性改善も期待される。AIサーバー市場の成長に伴う高性能パッケージ基板の需要増も追い風だ。LGイノテックは世界の顧客企業と中長期の供給協議を進め、生産能力の拡大を検討している。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News